いい映画だったなぁ。
みんな一生懸命生きていて、地域の人たちみんなで子供を育てていて、口は悪いが心はいつも温かい、そんな人たちの姿がイキイキと描かれていた映画だった。

直木賞作家・重松清のベストセラー小説を、阿部寛と北村匠海の共演で実写映画化。「糸」「護られなかった者たちへ」の瀬々敬久監督がメガホンをとり、幾度途切れても必ずつながる親子の絆を描き出す。昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。運送業者のヤスは愛妻の妊娠に嬉しさを隠しきれず、姉貴分のたえ子や幼なじみの照雲に茶化される日々を過ごしていた。幼い頃に両親と離別したヤスにとって、自分の家庭を築くことはこの上ない幸せだった。やがて息子のアキラが誕生し、周囲は「とんびが鷹を生んだ」と騒ぎ立てる。ところがそんな矢先、妻が事故で他界してしまい、父子2人の生活が始まる。親の愛を知らぬまま父になったヤスは仲間たちに支えられながら、不器用にも息子を愛し育て続ける。そしてある日、誰も語ろうとしない母の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスは大きな嘘をつく。
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阿部寛が演じる不器用な父「ヤス」。妻や息子を愛するあまりに、いつもその気持ちが空回りしてしまう。見ているこちらも「あぁあぁ、どうしてそんな・・・」ということの連続。
そんな面倒な荒くれ男の子育てを周囲の人たちが、あたふたしながらも優しく見守り共にその子を育てていく。
どのシーンでも泣けて仕方がない。父と息子のすれ違い。お互いに「なんでこんなことを言ってしまうんだろう」「どうしてあんなことをしてしまったんだろう」と悔やんでいる。
重松清氏の名作「とんび」は、今までに2回ドラマ化されている。どちらも素晴らしいものだったが、今回は初の映画化。息子を人気イケメン俳優の北村匠海君が演じた。この人北村くんは、どの映画を観てもうまい。歌を歌ってもうまい。喋らせてもいいことを言う。顔もかっこいい。それでいて憎めない。
今回も阿部寛の演技の熱量に圧倒されっぱなしとのことだったが、全然負けていない。同じ熱量を出しているというか、阿部寛のボーボーと燃え盛る炎をうまくコントロールしていた感じに見えた。
脚本の良さ、台詞回しの良さ、役者さんたちの演技も言うことなし。笑いの取り入れ方も絶妙だし、名言もくどすぎず、じわじわと心に沁み渡る。
先日終了した朝ドラ「カムカムエブリバディ」でも親子3代に渡って描かれていたが、この映画も最後の最後にヤスが死んだ後にヤスの孫が出てくる。そして、ヤスの遺影の写真を探しながらその孫が言う「おじいちゃんって幸せだったのかな?」と。
自分が死んだときに、私の孫は私の子供に聞くのだろうか?「おじいちゃんとおばあちゃんは幸せだったのかなぁ?」。映画の中で息子の北村匠海くんは自分の子に答える。「いずれ向こうに行ったときに聞いてみるよ」と。
それぞれの時代、その時その時にみんな一生懸命に荒波の中を泳いでいる。溺れぬように、自分の子が死なないようにと必死に泳ぎ続けるのだ。
先日は報知新聞での爆笑問題の田中裕二氏のインタビューを読んだ。脳梗塞とくも膜下出血ダブルパンチで死にそうになった時のことだ。死に対する考え方が変わったと。
「もちろん自分が死ぬのは嫌だし、死ねないけど、もし死んでも子供が元気ならいいやとは思うようになった」。決して自分の命が軽くなったのではない。もっと大切なものができた。それに気付くことができたのは、大病を患ったおかげだった。
これはとても納得した。自分も同じ考えだった。
映画は、スッキリと終わる。「いい映画だったね」と言い合える。

いつものお店で、いつものロースカツランチを食べながら、
「濱田岳ちゃんが後ろでピンボケ状態でやってる演技は笑えたよねー」
「そうそう、あれ上手いよね」
こんな映画を観終わって、一緒にみんなに助けられながら子育てをやってきた身として「あのシーンが良かったよね」と語り合えることが出来るって言うのは、本当に幸せだなと思うこの頃。
「山あり谷ありの方が、人生の景色はきれいなんよ」
そんなセリフが耳に残っている。
ご夫婦、いつも仲良しですね。
そして、とんかつおいしそう。
しんちゃんママさん
お決まりの、映画からのロースとんかつ。投票からのロースとんかつ。美術展からのロースとんかつ。ワンパターンです。^^;
わが家は、しんちゃんパパの月1回脳神経外科受診(柏の病院)の帰り、丸亀製麵でテイクアウト(1人前)。追加の天ぷらはその日の気分で・・・。次回は来週火曜です。
しんちゃんママさん
>丸亀製麵でテイクアウト(1人前)。追加の天ぷらはその日の気分で・・・。
病院とかだと、そういうご褒美的なものがないとですよねよー。トンカツが食べられると思うと、選挙も楽しみになります。(^_^)