自分が厄年の頃だったろうか。
子供たちが幼稚園から小学生、中学生と揃っていた頃。それぞれの学校行事が重なり、毎日がてんやわんやで時間がいくらあっても足りない日々だった。
そんな時に近所のおばちゃんとすれ違って「いつも忙しそうやなぁ」、
「なんだかいつもバタバタですよ〜」と応えると、
「そのうち時間なんていっぱい出来るようになるから、あともう少しや。楽しんどき!」と言ってもらった。

子供たちもみんな成人した現在、のんびり植木鉢の草花に水をやっているとその時の台詞を思い出す。
メダカに餌をやったり、のんびりひとりでゲームをやったりする時間もある。
「休日の日くらい、たまには一人でのんびり好きな本でも読みたいわ」と思った時もあった。
今はやろうと思ったらそれも出来るが、老眼で文庫本は読みづらいし、ハードカバーは重くて腕がだるくなる。同じ姿勢を長時間続けると体もギクシャクするから、どこか散歩している方が楽だ。
今日は何も予定がないと言う休日があることに自分で驚いている。
忙しい頃は、なんであんなに忙しかったのだろう?とさえ思ったりする。
今は息子夫婦がそうだ。幼い子を二人抱えてなんだかいつも走り回っている。
それを懐かしく遠くを見るように目を細める。
「手伝えることがあったら言ってね」と言っても、なんでも自分たちで済ませてくれる。
自分もそうだったな。
あまり口出しせずに、そっと見守るくらいにしておこう。
遠くで心配するくらいにしておこうと思うばかり。
何かあったら言ってくるだろう。