いつもと違うものをひとつ持ったら、
いつも持つべきものをひとつ忘れる。
腕時計とカギとスマホと帽子と鉄道系ICカード。
「今日は、これが必要なんだよね」と
修理に出しておいた別の腕時計の引換証を持ったりすると、
スマホを忘れたりする。
「忘れ物ない?」
夫婦お互いに確認し合う。
「スマホ持った?」
「大丈夫、大丈夫。充電もしたし」
「肝心のライブチケットは持ったよね?」
「あ、忘れた! ねぇ、今日はそれが一番大事なんだよ。」
いつもの持ち物が完璧なら、その日に一番大切なものを忘れていたりする。
「今日は完璧!」と思ったら、
帽子をかぶっていなかったり。
いつからこんな風になったのだろう?
以前からも忘れ物はちょこちょこしていたのだけど、
忘れ物が多くなったと言うよりも、
忘れ物をしないように気をつけるようになっただけなのかもしれない。
実際のところ、忘れ物をして大変な思いをしたことはあまりないのだ。
なのにお互いに忘れ物のことばかり気にするようになったのは、
自分の記憶に自信がなくなったせいなのかもしれないな。

大事な日は、
持っていくものはちゃんとメモして、
ひとつひとつチェックしていく。
いつの間にこんな几帳面になったのだろう?
忘れ物をすることに臆病になったのかもしれない。
今までは、
「どうにかなるさ」で歩けたのにな。
何が自分をこんなに慎重にさせてしまっているのだろう?
「金のないやつはオレんとこへ来い!オレもないけど心配するな。」
そんな人にボクはなりたい。