
「ほうれん草のお浸し」なんて、
ほうれん草を茹でて、お醤油かけて削り節をのせて出来上がりと言う簡単なものかと思っていた。ずっとずっとそんな食べ方をして来た。
それが変わったのがつい最近のこと。京都の料亭でほうれん草のお浸しを一口食べてからだった。「なんだこれは!!」と言う衝撃だった。上品な出汁に浸っている茹でたほうれん草が、高級な料理になっていた。
「これがほうれん草のお浸しか!」と思った。「浸っている」そうそう、ダシに浸っているんだ。
あの上質の出汁は難しいにしても、せめて麺つゆで作った出汁に浸すことくらいはできそうだ。
麺つゆをお吸い物くらいの濃さに薄めてみた。
熱湯で2分ほど茹でたほうれん草を流水でしばらくアクを抜いて、ギュッと絞ってからダシに浸す。
タッパーに入れて一晩冷蔵庫で保存して、翌朝いただいてみたら、
今まで食べて来たほうれん草とはまったく別のものがあった。
美味しい。
これからこれでやってみよう!
ほうれん草のお浸しがとても楽しみになった。
生醤油の塩気が苦手なので、薄めた出汁で頂くのは私にとって常識…
いつだったか山歩きで泊まった海沿いの旅館、朝食時私のほうれん草のおひたしの椀に、なみなみと醤油を注ぎ入れる年下の山仲間、『なにしやがる!』ってまだ醤油を入れてないそいつのお椀と交換、お前の腎臓や肝臓の数値が悪いのはそのせいだなって納得でした、体育系のそいつは悪気はないだろうから、特に何も言わなかったけどね・・・
そもそもそのおひたし、醤油入れなくても出し汁ですでに洗ってあったしw
喜劇のような悲劇ですね。昨日も帰省した子らに、出汁に浸したほうれん草を出したらすごい勢いで食べてくれました。今まで「醤油ぶっかけほうれん草」が当たり前だったので驚いたのかもしれません。私よりも早い年齢でこれに気づいてもらえて良かったです。
ほうれん草が食卓に出てきたら「これってもうお醤油かけた?」って、かけてなければ私がかけてあげますよってスタンスでしたからね。全ての料理において、調味料を追加してあげるという行為は親切ではないのでしょうね。根っこは親切心なのでしょうけどね。