
今まで、日記も万年筆で半年ほど書いたけど、結局スマホやパソコンで書くようになり、毎日のブログも当然パソコンで書いて、ペンや鉛筆で書くことがどんどん少なくなってしまった。
そうするといざペンで文字を書こうとすると、漢字が出てこないし、出てきた漢字も「これで良かったっけ?」とそれもネットで漢字を調べてしまう。
漢和辞典を久しぶりに引いたら楽しかったとこの前書いたが、これからは漢和辞典と国語辞書はすぐに開けるように手元に置いておこうと部屋の模様替えまでした。
いままであまりにもデジタル仕様になっていた。パソコン中心として部屋をレイアウトしていたが、学習机2つを並べて、ひとつはデジタル、もう一つはアナログと微妙に分けてみた。まだ試行錯誤中だが、これからうまいこと収束していけばいいと思っている。
文章を書くのも、キーボードを叩いて書くのと、ペンを持って書くのと、おそらく脳の使っている部分が微妙に違うような気がするのだ。うまく言えないが、考えスピードが違う。
キーボードの方が素早く入力出来るし、わからない単語もすぐに調べて打ち込めるし、漢字もすぐに引き出せる。
ペンだとそうはいかない。ペンと字引きを使って紙にインクを置いていく方法だと、ペンの滑り具合、インクの滲み具合、文字のバランス、書き間違え時にパソコンならデリートキーや方向キーなどで修正するのが、ペンだとぐちゃぐちゃと消すか、修正テープをはるかミスノンで消すか。
文章を考えながら、それ以外の気にすることが全く違うのである。文章を残すという結果は同じでも、そこまでのプロセスはほぼ別の作業になるのだ。
漢字を調べたときに、ネットで調べるのと、字引きを開くのとでは、目にする情報が全く違う。ネットだったら入力してワンステップ、ツーステップくらいで目的地に到達できるが、字引きだと目的の場所にたどり着くまで、慣れていない人だとかなりの時間を要するだろう。「それが大事」ともいうが、目的達成の効率を考えたらネットで調べた方が早い。
ただ、どっちが楽しいかというと、やはり字引きが圧倒的に楽しい。
パソコンは、効率をよくするための道具であり、そもそもその過程を楽しむものではない。当たり前と言えば当たり前だが、パソコンはそういう道具なのだろう。ここまでパソコンが道具として普及したのもわかる。この仕事をとっとと終わらせて、できた時間をいかに楽しむかってことだ。
でも、「時間はあるんだ」という人、「暇つぶし」を目的にしている人にとっては、楽しくないのではないかと思い始めた。いざ、字引きで文字を調べて、ペンで文字を書くことをやって見ると、色々と昔の感覚が甦ってくる。
勉強が楽しかった時のことを思い出してくる。パソコンで遊ぶのも楽しいし、便利だし、友好活用したいと思うが、アナログの楽しみを忘れてはいけない。この歳になって再びアナログに戻って、ナイフで鉛筆を削り、紙を選んで何か書いて見る。万年筆や筆でインクや墨を選んで書いて見る。色鉛筆や水彩絵の具で色を置いてみる。色紙を切って貼り付けてみる。そんな子供の時にやったことを今この年でやってみると、思いの外楽しいことに気づく。
やはり人間は、子供から始まって大人になって、再び子供に戻っていくんだなって思う。
楽しかった子供の頃に戻って、あの頃の楽しかったことを思い出して、もう一度やってみる。そんな楽しみ方でいいんじゃないかなって思う。
きっと子供の頃よりも楽しいに違いないと思う。