自分は言わないようにしようと思っていても、気がついたらつい口から出ている。
「どっこいしょ」「よっこいしょ」「ん〜〜〜〜とこしょ」、ケースバイケースでいろんな意味のよくわからない言葉を発する。
「よっこいしょ」の語源は「六根清浄」じゃないか?とも言われているが、どうなんだろう?なんか違うような気もするけど、はっきりとはわからない。
どんな時に声が出てしまうかというと、私の場合は適度な高さの椅子に座る時くらいでは声は出ない。主に、立っている状態から床に座ったり、床に座った状態から立ち上がる時に発することが多い。深く体を沈めるようなソファーとか、布団から起き上がるとか、布団に入る時とか。重いものを持つ時ではなくて、重いものをどこかへ下ろすとき。
というと、膝を大きく曲げてたったり座ったり、横になったりする時、腰の位置を床に近いところまで下ろしたり、そこから持ち上げたりする時。そして、力を入れている状態からその力をバランス良く抜いていく時。思い返してみると、ぎっくり腰になってどう動こうとしても腰が痛い時、それでも動かないといけない時は、「う〜〜〜〜〜ん」と唸り声を出し、ゆっくり息を吐きつつ、慎重に痛みのない角度を探りながらゆっくり体勢を変えていた。

試しに意識して声を出さず、ゆっくり息を吐きながら床にしゃがんでみた。するとどうだろう。なんだか微妙に辛い。
それじゃ、「よっこいしょ」と声を出しながらしゃがんでみたら、気持ち楽な気がした。
これはなんだろう? 声を出すこと、息を吐きながらしゃがむのと、息を吸いながらしゃがむのと、声を出すのと、出さないのと、「よっこいしょ」と「どっこいしょ」、「あみだくじ」とか「だるまさんが転んだ」とか試してみると、やはり「よっこいしょ」と「どっこいしょ」がいい。
「よっこいしょ」太字にした部分が「オ段」なのが良さそうだ。そして、「だるまさんが転んだ」では長すぎる。
というと、「おっおいお」でも「そっそいそ」「とっといと」でもいいんじゃないか? いや、「よっこいせ」でも大丈夫だ。でも「よっこいしぇ」ならいいが「よっこいしゃ」はイマイチ。最後が「ア段」はイマイチか?そんなこともないかぁ。
もしも、何か気合いを入れて体を動かそうとする時に、そんな言葉を発した方が体を動かすのに都合が良いのであれば、昔からある御神輿の掛け声も関係しているのだろうか?
「わっしょいわっしょい」「そいや」「セイヤ」「よいやさ」「ヨイサ ホイサ」
これらに何か共通するものはあるだろうか?「ア段」で終わるものも多い。
グッと一瞬の力を入れる時と、ジワ〜っと力を抜いていく時と、掛け声が違うのかもしれないな。
ぎっくり腰の時に、「あいたたタァ〜」「いてててて〜」と軽く息を吐きながら体勢を変えていくのと、高い場所にタッチする時では当然掛け声は違うだろう。
これはきっと、そのように声を出しながら動くことで、ゆっくり息を吐きながらうまい具合に節々を痛める事なく上手に体勢を変えるための方法なのかもしれないと思うようになった。
何よりも、「どっこいしょ」と声をかけた方が気持ちが良いのだ。「どっこいしょっと。はぁ〜やれやれ、疲れた疲れた」と、ここまで発した後の快感は格別だ。
はい、これでおじいちゃんの出来上がりってもんだ。
