
最初は「白いツユクサがあるのか?」って思った。
白くて可憐な花。
もう少し拡大してみよう。

花弁は3枚。オシベが6本。あとは毛かな?メシベはわからない。
細い笹のような葉。

周りを見れば、あたり一面トキワツユクサ! 繁殖力は半端なさそう。
トキワツユクサは、多年草で常緑。
では、ツユクサの方はどんなだったかというと、こんな感じ。
ツユクサ

花だけ比べてみると違う花みたいだ。葉の形は似ているけど。
青い特徴的な花弁が2枚。でもよくみると白い花弁が下についてる。
メシベもあって、オシベのつき方もトキワツユクサとは違う。
葉は細長くて似ているけど、ちょっと違う感じもする。
ツユクサは一年草で、花も1日でしぼんでしまうんだよね。なんだか儚い。
他にも
ムラサキツユクサ
というのもあります。

名前は似ているけど、なんだか違う種類の植物って感じ。
では、トキワツユクサの「トキワ」って何?
トキワは「常盤」って書きます。
常盤・常磐は「永久不変な岩の事」で、そこから転じて冬でも緑のままの常緑樹のことを指すようになります。
東京と福島を結ぶ電車に「常磐線(じょうばんせん)」っていうのがありますが、あれは「常陸国(ひたちのくに)と磐城国(いわきのくに)」を結ぶので、この常盤とは直接関係ありません。
トキワツユクサは、いつも緑色の葉をつけている多年草なんです。
歴史の中で「常盤」と言えば、義経の母である
「常盤御前」
を思い出します。どの映画や歴史ドラマでも美人女優が演じています。
常盤は近衛天皇の中宮・九条院(藤原呈子)の雑仕女で、雑仕女の採用にあたり藤原伊通の命令によって都の美女千人を集められ、その百名の中から十名を選んだ。その十名の中で聡明で一番の美女であったという。
Wikipedia
というくらいですから、相当な美女であったのでしょう。
源義朝の側室になり、今若(後の阿野全成)、乙若(後の義円)、そして牛若(後の源義経)を産む。後に一条長成との間に一条能成(長寛2年(1163年)生)や女子[2](生誕時期不明)を産んだ[3]。
義朝の死から一条長成に嫁ぐまでの消息は『平治物語』『義経記』等に記されているが、事実がどのようなものであったかは不明である。軍記物語の『平治物語』『平家物語』などによれば、平清盛に請われて妾となり、一女(廊御方)を産んだとされるが、史実としては確認されていない。
これだけ読んでも、相当な素敵な女性であったことは疑いなしです。
それだけに、この美しい白いトキワツユクサをみると、「常盤御前」を思い浮かべてしまう。
常盤御前は、それから時を超えて現在では「小惑星」の名前にもなっている。天文家の浦田武氏は、発見した小惑星に平安時代末期の歴史上の人物の名前をつけている。義経、義朝、そして清盛。
それぞれ今は小惑星の名前になり、天空に輝いている。
(小惑星だから肉眼では見えないかと思うが)