今ここから

「伊勢金比羅参宮日記」を含む歴史関係、映画鑑賞の記録、日々の料理レシピ、乾癬について、山歩き、生活の知恵、5人の子育てなど、多岐にわたる個人ブログです。

映画

ドラマ「しんがり 山一証券 最後の聖戦」

投稿日:

WOWOWのドラマは好きでよく見ている。どれもハズレのない良質な作品が多い。

 このドラマも期待以上の作品だった。

江口洋介主演 文句なしにかっこいい。

 そして、今回特に目を引いたのが、いつも嫌な性格の役で出てくる「矢島健一氏」。弱いものに強く、強いものには弱いというキャラクラーを演じることが多いが、このドラマの中ではそう言った性格を踏まえながらも強いものに立ち向かっていく人間を描いている。

 若手社員には、林遣都くん。この俳優さんは感心するほどどんどん上手くなっていく。

 萩原聖人氏の演技もいつもながら素晴らしい。

 

 ドラマは、バブルの後の山一証券の自主廃業に関しての話。自主廃業とは言え、実際は不正が明るみになって、大蔵省にも見限られて証券取引の免許取り消しということ。

 その不正の実態を、内部調査機関である江口洋介率いる部署が最後の最後まで山一証券の中で戦い、しんがりを努めたかという話。

 守るべき会社もなくなり、それでも真実を追求していく。同僚たちにも嫌われ、なぜ今更恥の上塗りをしなければならないのか?と。それを暴いた先に何が待っているのか?

 それでも誇りある山一の社員として、どうして我々は自主廃業せざるを得なかったのか、納得がいく理由がなければならない。そんな気概を感じられた。

 人はある時、「背信の階段」に足をかけてしまいそうになる。それを一歩でも登ってしまえば、それ以降は嘘に嘘を重ねなければ辻褄が合わなくなる。

 やがてその階段をもう一歩登ればその下に部下が出来、その部下も同じ階段を登らないといけなくなる。

 上り詰めるしかない。そのためにはどんどん嘘が嘘を呼び、やがてそれが当たり前になっていく。

 登り切ったところから見える景色はどんな風景なのだろう?

 一歩踏み出すあの頃に戻りたいと思っていた時もあっただろう。しかし、今更どうすることも出来ない。

私たちの日常も似たようなところがある。規模は全く違うにしても自分自身の中での「自分についた嘘」はいつもつきまとう。嘘をついたことも忘れていることもある。

 今の自分に対して、この江口洋介のチームに「自分の何が悪かったのか」、「いつどこから狂っていったのか」を調べて欲しいくらいだが、「今更それを調べてどうする?」とも思う。

 今の自分を受け入れて、これからどう生きていくべきか。それが大切なような気がする。企業と一個人では違う。一個人であればいくらでやり直しができる。

 しかし、後戻りできるくらいのところでしっかりと良心と照らし合わせて調整しておかないと、やり直しも出来なくなるところまで背信の階段を登ってしまうこともあるだろう。

 下から水が押し迫ってくるから仕方なくもう一段登る。また水が上がってきたからもう一段登ろう。それの繰り返しで後戻り出来ないところ行ってしまう。もう水に濡れるのは嫌だから。

 水が深くなればなるほど後戻りはきつい。まだ水底が見えるところで階段を登るのをやめないといけないが、それがむずかしい。

 たくさんの人が絡めば絡むほど、後戻りは難しいのだろう。

 そんなことをひしひしと感じられた良質のドラマだった。

な!なんだ、このコーヒー!?

-映画
-, , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

映画「マスター・オブ・ユニバース」

 今はガランとした巨大ビルの大きなフロアにて、かつてドイツの投資銀行の第一線で活躍していた銀行マンへのインタビュー形式の映画。大変高評価であったので鑑はじめたものの、最初の30分が過ぎ、40分が過ぎ、 …

映画「八日目の蝉」

直木賞作家・角田光代の原作小説を、井上真央、永作博美の主演で映画化したヒューマンサスペンス。監督は「孤高のメス」の成島出。1985年、自らが母親になれない絶望から、希和子(永作)は不倫相手の子を誘拐し …

映画「インターステラー」

「2時間49分もあったのか!?」  と思うほど、あっという間だった。  ハラハラドキドキであり、人生について考えさせられたり、哲学的な要素も多く、物理学的にも腕を組んで唸ってしまう。  主役のマシュー …

映画「プール」

日本の家族から離れ、タイ・チェンマイ郊外にあるゲストハウスで働く母・京子を訪ねてきたさよだったが、そこで暮らすオーナーの菊子、従業員の市尾、タイ人の子供・ビーとうまく馴染めずにいた。しかし彼らと数日を …

映画「祈りの幕が下りる時」

阿部寛主演、東野圭吾原作による「新参者」シリーズの完結編。東野の人気ミステリー「加賀恭一郎シリーズ」第10作の映画化で、2010年に放送された連続ドラマ「新参者」、2本のスペシャルドラマ、映画「麒麟の …