
20年前に起きた新生児誘拐犯の娘が、大手新聞社に内定したことから物語が始まるサスペンスドラマ。編集資料室勤務の元敏腕新聞記者が20年ぶりに誘拐事件の真相を追ううちに、新たな真実が次々と浮かび上がっていく。監督は大ヒット「SP」シリーズを手掛けた波多野貴文が務め、過去と現在が交錯しながら真相に迫っていくノンストップサスペンスを緊張感溢れるダイナミックな映像でじっくり魅せていく。脚本は吉本昌弘が担当。
20年前の真実に迫りゆく主人公を演じるのは、「外事警察」などの重厚な演技で人々を魅了し続ける渡部篤郎。主人公を支える人事部長役に実力派俳優の時任三郎、その息子で誘拐犯の娘と同じ大学に通う青年に『共喰い』などで若手実力派俳優として頭角を現わす菅田将暉が出演。物語の鍵となる誘拐犯の娘を演じるのは、『愛の渦』などで注目を浴びた若手本格派女優の門脇麦。さらに、唯一の誘拐事件の目撃者であり、また現在は風俗嬢という難しい役どころに挑戦するのは、WOWOWのドラマへ初出演の前田敦子。そのほか、板谷由夏、鶴田真由など豪華女優陣が物語を彩り、さらに岩松了、滝藤賢一、佐藤B作、嶋田久作、橋爪功など個性豊かな本格派俳優が脇を固める。
WOWOW
WOWOW連続ドラマ全5話。いつも見応えのあるドラマを制作しているWOWOWの連続ドラマ。この作品もなかなか期待通りだった。
主役の渡部篤郎、その元上司で彼を支える時任三郎。どちらも落ち着いてみていられる実力派の俳優さん。渡部篤郎の息子役の菅田将暉、その大学の先輩の門脇麦。みんな上手な人ばかり。脚本もよく出来ていて最後まで飽きさせない。
最終話の最後までまったく犯人が分からなくて、いきなり「え?」というシーンで全ての謎が解決している。そうだったのな?そうなの?なかなかびっくりな展開だったが、「そりゃないわ」ということもなく、なるほどそうだったのかと思わされて様々な伏線が繋がってくる。
人は嘘をつく。それほど悪気はなく、「このくらいの嘘なら大して問題ないだろう・・」と自分に言い聞かせるが、その小さな嘘が捜査を大きく揺るがしてしまう。あみだくじに横棒を一本足しただけで、たどり着く場所か変わってしまうように、一つの嘘でまったく違う展開になってしまう。
「どうしてこんなことになってしまったのだろう?」「どこで間違ってしまったのだろう?」、人生はそんなことの連続だ。
自分の人生にも、知らぬところであみだくじに線が引かれていく。どんな意図があってか、まったく意味もないままになのか。それとも元々そういうあみだくじだったのか。
「罪を憎んで人を憎まず」という言葉は深い。