キッチンに立って料理を作るときは必ず、お気に入りの曲をかける。
アップテンポでノリノリの曲がいい。
最近知った若手アーティストのヒットナンバーもいいけど、少し前に流行ったベストヒット集もいい。
でも、なんだかんだで選んでしまうのが学生時代に聴いた歌謡曲なのだ。一番古いところで1971年日本レコード大賞の「また逢う日まで」。レコード大賞の記憶はほぼその辺りからはじまる。続いてちあきなおみの「喝采」、五木ひろしの「夜空」と続く。「襟裳岬」「シクラメンのかほり」、このあたりも懐かしい。いわゆる私の懐メロだ。
懐かしいのではあるが、キッチンでそれを聴くかというとあまり聴かない。聴くのは高校大学時代の曲が多い。やっぱり松田聖子に中森明菜、小泉今日子、河合奈保子、原田知世、薬師丸ひろ子、岡田有希子、森高千里、今井美樹など好きだった。いわゆる「ザ・ベストテン」に出演していたメンバーたちだ。プリプリ、ZARD、ドリカム、サザンのバンド系も好き。

当時の洋楽もよく聴いたが、料理を作る時には不思議とあまり聴かない。イーグルスやジェフベック、TOTO、ディープパープル、ツェッペリン、サンタナなど好きなのはたくさんある。フュージョンもキッチンでは似合いそうだが、リーリトナー、ラリーカールトン、シャカタク、カシオペア、スクエア、プリズム、学生時代に死ぬほど聴いていたのにな。
料理する時にはなぜかいわゆる歌謡曲なんだなぁ。
歴代の日本レコード大賞を見ていて気がついたのだが、中森明菜は2回、安室奈美恵2回、浜崎あゆみ3回、近藤真彦まで受賞しているのに、なんと意外なことに、
松田聖子はレコード大賞を受賞していない。
ポップス・ロック部門 最優秀ボーカル賞、アルバム大賞、優秀アルバム賞、金賞、ベスト・アルバム賞、83アルバムベスト10、ゴールデン・アイドル賞、新人賞は受賞しているのだが、大賞は受賞していない。
もうひとつ気が付いたのが、これも意外なことにジャニーズが少ない。少ないどころじゃなくて、昭和62年の近藤真彦と翌年昭和63年の光GENJIだけ。他にもたくさん売れたと思うのにねぇ。大人の事情なんだろうけどあまりにもあんまりだ。
そんなことをしているうちに、どんどん衰退していって、私もレコード大賞を観なくなってもう何年にもなる。そのような賞とかは関係なく、その時代ごとの曲というのは心にしっかり刻まれているもので、思い出の中には必ず音楽がある。
「今日は何を聴こうかな?」
曲を聴くと思い出す出来事がある。どんな思い出が思い浮かぶのか、それは聴いてみないとわからない。
妻と一緒に懐かしい歌謡曲を聴いていると、学生時代のことが色々と思い出されて、若かった頃に戻れるのがうれしい。付き合っていた時間が長いので、思い出話はうんざりするほどあるのだ。