
今までも「出前」というものをあまり利用したことがなかった。
子供の頃には、蕎麦屋に頼んだことはちょこちょこあって、それが楽しみでもあった。
街中を出前のカブが行き来していたし、かなりの注文があったのではないかと思われる。
義母もピザや寿司を出前で頼むことも多かった。孫が数人集まって「お腹空いた〜」となれば、気軽にピザや寿司を注文していた。
寿司を出前で頼めばかなり高額だと思っていたし、ピザも同様だと思っていた。
今回は「出前」ではなくて、「お持ち帰り」なのだが、スマートフォンのアプリで寿司を注文して、指定された時間に取りに行った。
その注文も思いの外簡単に出来たし、支払いも楽々だった。
その上、回転寿司なのでとにかく安い。
6人前で3,300円だ。下手したら1人前の寿司の価格ではないか?! そう思うのはもう古い人間なのだろう?
子供たちにとっても、寿司は安いものであり、「ハンバーガーにするか、回転寿司にするか」という選択だとも聞いた。「寿司でいいや」ってセリフは、私は今まであまり使ったことがない。
「うな重でいいや」とか「トンカツで我慢しとく」「ステーキでいいか」なんてセリフはあり得ない。
そういう価値観が変わってきているのだろうな。
手軽に寿司が食べられることは素晴らしいことだ。大好きであるからこんなに嬉しいことはないのだが、なんだろうこの一抹の寂しさは。
これに慣れてしまっていいのかな?とも思う。
つくづく最近、古い人間になったのかなって思わされる。
昔はこうだったのになとか考える。
「昔は良かった」とはあまり言わないが、今の方が色々と便利であるのは間違いない。
でもなんだろう?
自分が10代、20代、30代の元気な時代が妙に懐かしいんだな。
やっぱり人間古くなってきたってことなんだろうな。