遺品の中から見つかったボロボロに赤錆のついた鉄瓶。
取っ手も片方はずれていて、持つことも出来ない。
「これはもうダメだよね? ちょうど明日の朝、金属回収が来るみたいだから出しちゃおうか?」
「そうだね」と、よく見ずに私も了承。
「それじゃ明日の朝出しておくね」ってことになった。
今まで鉄瓶というものを使ったことがない。鉄瓶の何がいいのかもまったく知らなかった。

翌日、仕事から帰宅すると金属業者が持っていくと思っていた鉄瓶がなぜかそのまま置いてあった。金属なら喜んでなんでも持っていくのにおかしいな?
「これは、使えってことかな?」と思った。
ネットで調べてみると、南部鉄瓶の復活方法が色々と見つかった。
表面の錆がきついところは紙ヤスリでこすり取り、内面の錆もひどいところはこすり取った。
水で洗ってから一度乾燥させて、
お茶パックに緑茶を入れて、鉄瓶に水を8割ほど入れてお茶を10分ほど煮出した。

外れていた取っ手は、一度取っ手を水平に倒してから位置を合わせて再びグイッと直角に戻したら、簡単に戻すことができた。この取っ手は水平に倒しちゃいけない取っ手なのね。
10分ほど煮出した緑茶は、火を止めて8割ほどまでお湯が入っているが、そこへ水をふちぎりぎりまで入れて蓋をして、そのまま数時間(半日)置いておいた。
ほぼお湯が冷めた数時間後、鉄瓶のお茶を出してみると鉄と緑茶のタンニンが反応して真っ黒なお茶が出来上がる。何度から洗って、黒い水が出なくなったら再びお湯を沸かしてみて、それを湯呑みに入れると、まだ薄黒いお湯が出てきたので、もう一度上記と同じことを繰り返した。
緑茶で10分煮出して、火を止めて、水を足して半日そのまま置いておく。
そして、よく洗ってからお湯を沸かしてみた。

今度はバッチリ、キレイに透き通ったお湯が沸かせた。
それをゆっくり飲んでみた。
「おぉ! なんと柔らかいお湯!」
「まろやか・やさしい・甘い」なるほど、こういうことか。
いつものお茶も美味しい。
このお湯でコーヒーを淹れてみたい。
このお湯を水筒に淹れて持ち歩きたい。白湯だけで美味しい。
そんな感じ。
捨てなくてよかった。
錆だらけで壊れた状態の鉄瓶の写真を撮ってなかったのが残念。かなりひどかったです。
おはようございます。
南部鉄器は、数年前から大いに見直されているようですね。
我が家にも、掌に乗るようなサイズのものがあって、子供の頃は、鉄瓶にお茶を入れてお墓参りをしていました。今でもタンスのどこかに残っていると思います。
使用できるまでの過程がなかなか手間がかかるようですね。
それでも、今回拝見して、再び使ってみてもよいかな、と思いました。
カラスさん
朝の忙しい時に鉄瓶でお湯を沸かすのは面倒なので、Tefal(ティファール)という電気ケトルを使っていますが、休日に美味しいお茶やコーヒーが飲みたい時に使うようにしています。
最初にそのお湯を飲んだ時は「おぉ〜、柔らかい〜」って感じで、ちょっと感動しました。(^_^)
真夏の結婚式の引き出物でカレー皿5枚セットを頂き、駐車場まで数百メートル礼服で歩いて死にかけたなんて話を仲間内で話していたら、岩手方面ではこの手の鉄瓶が引き出物になり、重くて大変だったって話しが出ました、最初から家にある分には問題ないですね、鉄分が溶け出て貧血防止にも役立つのかな?
Akiさん
カレー皿5枚セットはなかなかの重さでしょうね。
鉄瓶も確かに重い!ズシリときます。沸かしたお湯を高い位置でポットに入れる時も腕がプルプルするほどです。直角に立てると熱い蓋が落ちそうでそれを支えないといけないからちょっと大変。
でも、お湯は美味しいです。
捨てなくてよかったですね。
鉄瓶は買おうとしたら、けっこう高額ですからね。
お茶の稽古ように鉄釜を持ってますが、それで湧かすと美味しいように思います。
アプリさん
捨てなくて良かったです。
鉄釜をお持ちなんですね。鉄瓶であれだけ重いので、鉄釜はかなりの重さなのでしょう。
茶道のお茶が美味しいのは、鉄瓶や鉄釜で沸かしたお湯を使っているというのもあるかもしれませんね。
KURI様の努力、いいねぇ、いいねぇ。
ちなみに、しんちゃんママは生後21日目から3歳まで、盛岡に住んでいました。(もちろん、記憶なし!)
しんちゃんママさん
ありがとうございます。
金属回収業者が、なぜあの時だけ回収しなかったのかが不思議です。この鉄瓶なら行政の回収の日であっても、民間回収業者が早朝からあちこち廻って持っていってしまうのに。
やっぱり「使え」ってことだったのでしょうね。(^_^)
>しんちゃんママは生後21日目から
生まれてすぐにお引っ越し!
>やっぱり「使え」ってことだったのでしょうね。(^_^)
⇒持ち主(義母様?)の心のさけび!!
前にお話ししたかも・・・。
義母が入院していた病院は持ち物に名前を書くため、マジックを引出しに保管。そのマジック、16年以上書けるんです。しんちゃんパパと、「照子ちゃん(義母)がインクを補充してるんだ!」と話しています。
しんちゃんママさん
16年ですか!それはなかなか優秀ですね。安い万年筆は、キャップをしていても使わずにおいておけば1ヶ月もしないうちにインクは空っぽになってしまいます。
そちらはお義母さんがインクを補充されているかもしれませんね。こちらの万年筆は、夜中に誰かが使っているのかもしれません。