「昨日紹介したあの人どうだった?」
「う〜ん、ビミョーかなぁ?なんかピンと来ないんだよねぇ。」
「微妙」と言う言葉は、マイナスイメージで使われることが多い。
昨日は三井寺を歩いた。
金堂から観音堂に向かう途中に「微妙寺」と言うお寺がある。

御本尊は十一面観音。秘仏である。ふくよかなお顔に80cmちょっとと言う大きさ。とても人気で、参拝者がたくさん押し寄せたために、参拝者のかぶっていた笠が壊れてしまったことから「笠ぬげの観音さま」と呼ばれたらしい。
現代もよく使う「微妙」と言う言葉。
お寺の名前にもついているくらいだから、きっと仏教用語だろうなと思って調べてみた。
まず「妙」だが、
これは「南無妙法蓮華経」にもありますね。
「南無」は「帰依します」「信じます」
「妙法蓮華経」は「法華経」のことで、「この素晴らしい深淵微妙なる法」が法華経だ。
出てきましたね「微妙」。
「ビミョウ」と読まずに「みみょう」と読みます。
「微」と言うと、微生物、顕微鏡、微笑、微風など、「ちょっとだけ」とか「小さい」と言うようなイメージ。「微に入り細に入る(非常に細かい点まで及ぶ)」とも言う。
「妙」が素晴らしいと言う意味なら、「ちょっといいかも?」程度?
いや、「ビミョー」にはマイナスイメージが付くから、「ちょっと悪い」な意味で使っている。
でも仏教での「深淵微妙(じんのんみみょう)」は、もっともっと深〜い意味なのです。
仏さまの大いなる慈悲は深淵微妙なり。
と書くと、それだけで「深淵微妙」の大きさがわかる。
人間の言葉では表現できないほど、不思議で奥深いもの。
仏教の教えや知恵、その素晴らしさを語る上での形容する言葉であり、
衆生が想像できないほど不思議で奥深い至上の意味なのである。

それが今や「イマイチ」とか「よくわからないけど、あまり好きじゃない」みたいな使われ方をされていることがちょっと悲しい。
私も使ってしまっていたから、これからちょっと気をつけようっと。