昨日の「方丈の庵跡」に行く前に立ち寄ったのが、この「法界寺(ほうかいじ)」。
京都市営地下鉄東西線の「石田駅」下車。
京都駅からはちょっと離れている。ほぼ宇治に近い。地図ではこの辺。
写真右上は琵琶湖。赤い丸が法界寺。

石田駅から東へ歩いて20分くらい。
法界寺は、
藤原氏の北家にあたる日野家の菩提寺で。弘仁十三年(822年)、藤原家宗が慈覚大師円仁より贈られた伝教大師最澄自刻の薬師如来の小像をお祀りし、その後永承六年(1051年)、日野資業が薬師如来像を造って、その小像を胎内に収め、薬師堂を建立して寺とした。当時は観音堂、五大堂等多くの堂塔が立ち並んでいたが、今では本堂と阿弥陀堂を残すのみとなった。一般には日野薬師、乳薬師として知られている。
法界寺パンフレットより

石田駅から1本道。歩道を東へ歩いていく。所々に石の道標や標識があってとても丁寧に案内してくれる。

今年に2月に醍醐寺へ行ったが、その時の駅が「醍醐駅」。その一つ隣の駅が今回の「石田駅」。ここからでも歩いて醍醐寺へ行ける。
醍醐寺といえば、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、頼朝の異母弟の「全成」。義時や政子の妹(宮澤エマ)と結婚したドラマの中ではちょっとユーモラスな役。父である源義朝が平治の乱で敗れたためにこの醍醐寺にて出家させられた。その後、以仁王の令旨が出されたときに醍醐寺を抜け出して鎌倉へ向かった。通称、醍醐禅師又は荒くれ者だったことから「悪禅師」と呼ばれていた。母親は、義経と同じ常盤御前で義経の実兄にあたる。
藤原氏の北家というと、藤原鎌足(中臣鎌足)の子である藤原不比等、その次男が房前(ふささき)でその系列。兄の武智麻呂より家が北側にあったから「北家(ほっけ)」と呼ばれている。北家もかなりたくさん枝分かれしている。そのうちの一つが「日野家」で、浄土真宗の「親鸞聖人」や足利義政の正室「日野富子」がその日野家。

日野薬師(法界寺)に到着。静かでとてもいい雰囲気。

ここから拝観有料(500円)と書いてある。中に受付があってそこでお支払いを済ませると、ご住職が出てきてくれて「阿弥陀堂」を開けて案内してくださった。
国宝の阿弥陀堂。

極楽浄土の具象化として建てられて典型的な阿弥陀堂建築。五間五面の檜皮葺(ひわだぶき)、宝形造り、周囲1間の廂(ひさし)を付し、重層建築っぽい。
中に入ると、中央に大きな金色の国宝「木造阿弥陀如来坐像」が祀られており、周りに四天柱。天井にも、柱にも、漆喰にも天人、飛天、天女が描かれ、まるでここが極楽浄土のよう。これは宇治の平等院と同じで、死ぬ時には阿弥陀様が天女を引き連れてお迎えに来てくださるのだなというイメージを具象化したものになっている。醍醐寺の三宝院の本堂に祀られる弥勒菩薩の時と同じ雰囲気を感じた。これが作られた当初の美しさはどんなだったろうと、色が落ちてしまった現在から頑張って脳内で想像して悦に浸った。
その時は参拝者は私一人だったので、贅沢にも国宝の阿弥陀様を独り占めしてしばらくボーッとさせてもらった。これがまた至福の時間であった。

お迎えの時には、阿弥陀様が来てくださるのだろうか?
>阿弥陀様を独り占め
→よ~~くわかります。
永観堂へ見返り阿弥陀様に会いに行った時、
お堂内にはしんちゃんママとお嫁ちゃんと阿弥陀様だけ・・・。
お堂を去るまで、ずっと・・・。
そして、回廊で法主様とお会いでき、思わず合掌。
しんちゃんママさん
>永観堂へ見返り阿弥陀様
そんなこともあるのですねー。私は2回お会いした時はそのどちらもほぼ満員でゆっくりと出来ませんでした。またタイミングを計って会いに行きたいと思います。
京都駅前でバスに乗る時、「永観堂は〇〇で降りたらいいのですね?」と運転手さんに聞きました。バス停で降りたら、若い運転手さんがマイクと身振り手振りで、「まっすぐ行って、右に曲がってください。お気をつけて!」と言ってくださり、すごくうれしかった記憶。永観堂はいい思い出しか、残っていません。
しんちゃんママさん
運転は荒くても優しい運転手さん。(^_^)
荒そうに見える運転も奥にある優しさ故。いつもお世話になっています。
「全成様」、今回、初めて知りました。全成役の新納慎也さん、ミュージカルで何回か拝見していますが、僧侶姿はまだ慣れません(笑)。
>法界寺
→京都は行っているつもりでしたが、知りませんでした。
こういう佇まいのお寺、好きです。
しんちゃんママさん
>僧侶姿はまだ慣れません(笑)。
そうなのですね。私は逆で、先日NHK「うたコン」で、宮澤エマさんとデュエットしていらしたのをみて、髪の毛があることとスーツ姿になんだか笑ってしまいました。
法界寺は、京都駅から石田駅まで30分。バスツアーで醍醐寺までは来ても、法界寺まではなかなか。お隣には親鸞聖人の生誕地もあります。
なにしろ国宝阿弥陀仏独り占め。最高でした。(^_^)