
人気作家・窪美澄の同名短編小説を「愛がなんだ」「街の上で」の今泉力哉監督のメガホンで映画化。高校生の陽は、幼い頃に母の佐千代が家を出て、父の直とふたり暮らしをしていた。しかし、父が再婚し、義母となった美子とその連れ子の4歳のひなたとの4人家族の新たな暮らしが始まった。そんな新しい暮らしへの戸惑いを、同じ美術部に所属する陸に打ち明ける。実の母・佐千代への思いを募らせていた陽は、絵描きである佐千代の個展に陸と一緒に行く約束をする。陽役をドラマ「ドラゴン桜」「ゆるキャン△2」などで注目され、今泉監督の「パンとバスと2度目のハツコイ」「mellow」にも出演した志田彩良、直役を井浦新が演じるほか、鈴鹿央士、石田ひかり、菊池亜希子らが顔をそろえる。
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「かそけき」は、「今にも消えてしまいそうなほど、薄い、淡い、あるいは仄かな様子を表す語。 古語「幽けし」の連体形であり、現代でも雅な表現として用いられることがある。」と言う意味。
「サンカヨウ」は、植物の名前。水に触れると徐々に透明になる不思議な花。
そんなタイトルが表すように、繊細な初々しい純粋な気持ちの移ろいを上手に表現した映画。こんな日本映画は大好物です。
監督は、「mellow」や「愛がなんだ」の今泉力哉監督。どれも好きな作品。
この映画で一番好きな俳優さんは、菊池亜希子さんかなぁ。父の再婚相手という難しい役を演じている。キャラクター設定もいいのだが、それをうまく表現している。
主人公の彼氏役を演じた鈴鹿央士くんも、拙い演技なれどそれがまたいい味となっていて好感を持った。主人公の実母の石田ひかるさんも微妙な役だがセリフは少ないながら絶妙な表情で演じていてさすがだなぁと思った。
好きな俳優さんの一人である井浦新氏は、もう独特の世界を持っていて安心してみていられる。
全体的にはなんとも不安定な、すぐにでも壊れてしまいそうな関係なのだが、それをみんなで精一杯それを維持している感じがよく出ていた。観終わったあとも、なんだか気持ちがよくて、それが翌日まで続いていた。そんな気分が落ち込んだ時のサプリメントのような映画だった。
かそけき、サンカヨウ、ちょっと波乱がありそうな予告編。
大人びてくるけど、不安定な高校生なのに、突然家族が増える、それも、父を取られた。
おまけに子付きで、自分はほっておかれる。
手がかかる幼い4歳の「ひなた」とは心ではわかっていてもジェラシーかな。
でも、最後はすっきりと後味がよいのですね。どんな展開なのでしょう。
いつか見る機会がやってくるとよいなあと思いました。
サンカヨウ調べてみたら、花のあと濃い青紫色の実をつけて甘くて食べられるそうです。
アプリさん
とてもいい映画でした。機会があればぜひご覧になってください。やっぱり邦画っていいなって思える映画です。
>花のあと濃い青紫色の実をつけて甘くて食べられるそうです。
そうなのですね! 山の中でも見たことないですが、近畿地方にはないのかなぁ? 甘い実なら見つけたら食べてみたいです。
>「かそけき」は古語「幽けし」の連体形
⇒初めて聞きましたが、趣のあることばですね。
しんちゃんママさん
私も初めて聞いた言葉でしたので、思わず調べてしまいました。趣ありますよね。映画もそんな今にも壊れそうな青春の心のうちを上手に表現していました。