
第1弾『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』主演中井貴一、第2弾『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』主演三浦友和に続く「RAILWAYS」シリーズ第3弾。
第3弾の主役はおじさんではなくて、若い女性。有村架純ちゃん。その脇にはしっかり國村隼さんというおじさんも配置してある。
この定年間近の運転手と、鉄道のことはほぼ知らない若い女性が運転士。
有村架純は東京で小学生の男の子のいる男性と結婚した。それが鹿児島に住む國村隼の息子。その息子がくも膜下出血で急死してしまう。途方にくれた有村架純は、死んだ夫の実家を頼るために小学生の男の子を連れて鹿児島まで赴く。國村隼は、もうすぐ定年になる地方鉄道の運転士。人手不足のため、まだ働いて欲しい鉄道会社。
一緒に住まわせて欲しいという有村架純は仕事探し。義父の会社が運転士を募集しているというので応募したら合格して、もう勉強の末にどうにかテスト生にまでなる。
しかし、テスト運転中に架線に迷い込んだ野生の鹿をはねてしまってパニックを起こす。有村架純は過去にお腹の赤ちゃんを死なせてしまったことがあり、また、夫を突然に失ってしまったこともあったために、それがフラッシュバックしてパニックを起こしてしまう。
自分は運転士に向いていないのではないかと考える。また夫の子供も学校でいじめられていて、父親の死もまだ受け入れられていない。その男の子に対しても血のつながっていない自分が母親でいいのだろうか?という心配もある。
そんな葛藤を抱えながらも成長していく若い女性を描いている。
有村架純ちゃんの清純さは、なんとも心地よく、國村隼さんの実直な運転士の仕事ぶりと共に好感が持てる。
全体のまとまりもよく、良い映画に仕上がっていてお手頃な佳作になっている。