
マンボウ発令中ということもあって、近所のシネコンは朝8時15分から上映開始。あまりに早い。
観終わってトンカツを食べるのが楽しみなのだが、1時間以上待たないと食べられない。
今回の妻と見る映画は山田洋次監督の「キネマの神様」。
志村けんさん主演と決まっていたが、急逝されてしまったために代役に沢田研二さんの受けて立った。原作は原田マハ。「原田マハにハズレなし」と言わしめるほどだが、この作品はどうだろう?
何が心配かって、私は「男はつらいよシリーズ」がちっとも面白いと思わないのだ。釣りバカ日誌もそう。そして、「家族はつらいよ」も同様だった。
でも今回は、原田マハ原作であり、菅田将暉や永野芽郁、北川景子、野田洋次郎、宮本信子だ。これで面白くなかったらどうすりゃいいのだってくらいだ。
原田マハ氏も映画化とのことで「男はつらいよ」の雰囲気になるのがちょっと心配と小耳に挟んだ。
果たして、その心配の通りになったような気がする。
若い頃、映画を作るのが好きで助監督をやっていたゴウちゃんを、若い頃を菅田将暉、現代を沢田研二が演じる。その恋人役を永野芽郁、その後の妻を宮本信子。
最初のシーンは、現代のダメジジイの沢田研二からはじまる。ギャンブルと酒に溺れて、借金を作って娘に払わせている。借金取りに追われてこの先どうしたらいいのかという状態なのだが、すでにこの時点で不安になった。
面白くない。退屈。なのだ。どうしよう、これじゃ男はつらいよや家族はつらいよの時と同じ状態だと思った。でも今回は、そこからシーンが昭和に飛ぶ。ここで菅田将暉と北川景子と永野芽郁、野田洋次郎が出てきて一気に雰囲気が変わる。
しかし、脚本はどうも私には面白さが分からない。ただ、北川景子の美しさと永野芽郁の若さは素晴らしく、それだけで十分観ていられる。
一つ一つ脚本にツッコミたくなって話に入っていけない。「う〜ん、どうしてここでそうなる?」と思うことばかりでなんだかイライラする。
好きなシーンがないわけでもない。ホロリと泣かされた部分もあったし、美しいと思うシーンも多々あった。クスリと笑ってしまうシーンもあった。
だが、どうにも全体的に流れる「古さ」というか感性の違いがしっくりこない。きっと「男はつらいよ」が好きな方には「これこれ、これだよなー」って思われるのかもしれないが、私はだめだ。
この映画を観て、やっぱり映画って難しいのだなって感じた。気に入らなかったセリフは、どう書き直せばしっくり来たんだろう?って考えてみても、なかなかいいセリフが出てこない。だけども、あのセリフじゃない。やっぱりむずかしいんだな。
「ほぉ」と感心するようなセリフというのは、なかなか簡単には出てくるもんじゃない。
そんなことがよくわかった映画だった。
午前10時40分には終わってしまったので、トンカツ屋はまだ開店しておらず、仕方ないのでスーパーでトンカツを買って、家で食べることにした。

お店で食べる半分の金額で、トンカツ定食。

こういうのもたまにはいいか。