
菅田将暉と本作が俳優デビューとなる「SEKAI NO OWARI」のボーカルFukaseの共演によるダークエンタテインメント。「20世紀少年」など数多くの浦沢直樹作品にストーリー共同制作者として携わってきた長崎尚志によるオリジナル脚本を、「世界から猫が消えたなら」「帝一の國」の永井聡監督のメガホンにより映画化。漫画家として売れることを夢見て、アシスタント生活を送る山城圭吾。ある日、一家殺人事件とその犯人を目撃してしまった山城は、警察の取り調べに「犯人の顔は見ていない」と嘘をつき、自分だけが知っている犯人をキャラクターにサスペンス漫画「34」を描き始める。お人好しな性格の山城に欠けていた本物の悪を描いた漫画は大ヒットし、山城は一躍売れっ子漫画家の道を歩んでいく。そんな中、「34」で描かれた物語を模した事件が次々と発生する。主人公・山城役を菅田、殺人鬼・両角役をFukaseがそれぞれ演じる。
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期待して観に行ったが、その期待以上の作品だった。
先が読めない。読めそうで読めない。犯人はわかっているのだが、ストーリーがどのように展開していくのかがわからない。それがドキドキする。
そのドキドキを菅田将暉の絶妙な演技と共に、シンクロさせながら話が進む。
犯人であるFukaseくんも独特の演技で絶妙。これは本人が上手いのと、キャスティングが上手いのと色々と融合して素晴らしい化学反応を起こした感じだ。
小栗旬は好きな俳優なのだが、いつも「もうちょっとこうなんとか・・」っていうもどかしさを感じることが多かったのだが、この映画に関しては「うん、小栗旬らしい良さが出ている」って感じた。
劇中の漫画も迫力満点だし、ラフデッサンも素晴らしい。
菅田将暉がアナログで描くシーンも、デジタルで描くシーンもとてもリアルで、そういう細かいところまでこだわっていた気がする。
そして、映画の中のさまざまな効果音。作画の時のペンを動かす音もそうだし、ナイフで人を切ったり刺したりする音、動くものの音など、印象に残るように作られているような気がした。
グロテスクな映像は苦手で、その手の映画は極力観ないようにしているが、この映画は是非またもう一度観てみたい。