
太宰治の未完の遺作「グッド・バイ」をケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点を交えたスクリューボールコメディとして「グッドバイ」のタイトルで戯曲化、演出した舞台を大泉洋、小池栄子主演で映画化。戦後の復興期、文芸雑誌の編集長・田島周二は何人もの愛人を抱えていた。さすがにこのままではまずいと思った田島は彼女たちと別れる決心を固めるが、愛人たちを前にすると優柔不断な性格が災いし、別れを切り出すことが出来ずにいた。困り果てた田島は、ガサツで金に金にがめつい担ぎ屋・キヌ子に女房を演じてくれと頼み込む。しかし、泥だらけの顔を洗ったキヌ子は誰もが振り返る美しい女性だった。大泉が田島役を、小池が舞台版でも演じたキヌ子役をそれぞれ演じるほか、水川あさみ、橋本愛、緒川たまき、木村多江、濱田岳、松重豊らが顔をそろえる。監督は「八日目の蝉」「ソロモンの偽証」の成島出。
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上の解説見て、ケラリーノ・サンドロヴィッチが戯曲化したものを映画化したというのを知った。
今の大河ドラマの頼朝と政子の二人ということで、なんだかそれだけで笑ってしまう。そして、今度大河ドラマを見るときにもまた笑ってしまいそうだ。
最近の小池栄子の熱演はどの映画でも好感が持てて、好きな女優さんの一人になっている。今回は特にドスの効いた濁声が迫力があり、それが徐々に主人公に好意を寄せていくにつれて濁りが減っていく感じが楽しい。
大泉洋の演技は見事で、どの役をやらせても上手にこなしているように見える。おそらく綿密な考えの元での演技だと思うが、そう思わせないところがこの人の凄さなのだと思う。
それともう一人、とても印象的だったのが緒川 たまき。なんとも不思議で妖艶な演技だった。大泉と近づいていって思わず唇が触れるのではないかとハラハラした。下手なラブシーンよりもエロティックだった。
作家役の松重豊の演技も楽しくて、ひどいことをやっているのに関わらず、あの顔で憎めないところがすごい。
終盤の展開は意外性があって楽しめた。なかなか楽しい映画で2時間弱のエンターテイメント。