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映画「ソロモンの偽証」前編・後編

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 直木賞ほか多数の文学賞を受賞するベストセラー作家の宮部みゆきが、「小説新潮」で9年間にわたり連載したミステリー巨編「ソロモンの偽証」を、「八日目の蝉」の成島出監督が映画化した2部作の前編。バブル経済が終焉を迎えつつあった1990年12月25日のクリスマスの朝、城東第三中学校の校庭で2年A組の男子生徒・柏木卓也が屋上から転落死した遺体となって発見される。警察は自殺と断定するが、さまざまな疑惑や推測が飛び交い、やがて札付きの不良生徒として知られる大出俊次を名指しした殺人の告発状が届き、事態は混沌としていく。遺体の第一発見者で2年A組のクラス委員を務めていた藤野涼子は、柏木の小学校時代の友人という他校生・神原和彦らの協力を得て、自分たちの手で真実をつかもうと学校内裁判の開廷を決意する。物語の中心となる12人をはじめとした中学生キャストは、1万人の応募があったオーディションで選出。藤野涼子役の新人女優・藤野涼子は、本作での役名をそのまま芸名に女優デビューを飾った。

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 純粋であるがゆえに苦しみもエスカレートする青春時代。悪く言えば堕落すれば楽に生きられる。だが真面目な人ほど、真面目にこだわる人ほど生きづらい組織が出来上がってしまっている。

 大人のダブルスタンダードの狭間で、真実とは何かということを生徒だけで議論していくその姿は、見ていてとても勇気づけられると同時に怖さを感じる。理想と現実を知ってしまった大人たちにとって、理想だけで裁かれることへの恐怖。しかし、この裁判では罰することはしない。

 世の中では、力による一方的な現状変更が当たり前のように行われている。結局なんだかんだで金と権力だということも知っている。その世界で生きることに疲れても、それなりにうまく生きていけることもわかってきた。でも子供には理想を説くし、教育現場でもそう教える。

 しかし、社会に出た途端にそのルールとは違うことに愕然とする。いやすでに薄々気付いていた。「やっぱりそうだったのね」という感じだっただろうか。

 この映画で裁かれるべきものはなんだろうか?裁くことができるものはなんだろうか?

 ここにいる人たちみんな悪くて、吊し上げられたその人だけ悪いんじゃない。裁判を傍聴している人もみんな同罪。

 踏切でちゃんと停止する車なんて100台のうち数台しかない。それで警察にキップ切られたら「みんな止まっていないだろう! ホラ、今あの車だって止まってない!あの車も捕まえろ!」。

 それでも、罪がなくなることはない。

 「あいつが割り込んできたから悪いんだ!」とあおり運転の言い訳をするのもそう。

 人を裁くのは難しい。つくづくそう感じるような映画だった。

 かなりいい映画だったと思う。

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