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映画「ハクソー・リッジ」

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メル・ギブソンが「アポカリプト」以来10年ぶりにメガホンをとり、第2次世界大戦の沖縄戦で75人の命を救った米軍衛生兵デズモンド・ドスの実話を映画化した戦争ドラマ。人を殺してはならないという宗教的信念を持つデズモンドは、軍隊でもその意志を貫こうとして上官や同僚たちから疎まれ、ついには軍法会議にかけられることに。妻や父に助けられ、武器を持たずに戦場へ行くことを許可された彼は、激戦地・沖縄の断崖絶壁(ハクソー・リッジ)での戦闘に衛生兵として参加。敵兵たちの捨て身の攻撃に味方は一時撤退を余儀なくされるが、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、たったひとりで戦場に留まり、敵味方の分け隔てなく治療を施していく。「沈黙 サイレンス」「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールドが主演を務め、「アバター」のサム・ワーシントン、「X-ミッション」のルーク・ブレイシーらが共演。第89回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など6部門でノミネートされ、編集賞と録音賞の2部門を受賞した。

映画.com

  アメリカ軍の衛生兵デズモンド・ドスの実話を元に、アメリカ側から見た沖縄戦を描いている。

 アメリカ軍兵士 54万8000人
 日本軍兵士   11万6400人

 圧倒的な軍事力と兵士の数の米軍に対して、14歳以上の少年まで徴収した乏しい兵力とで最後の最後まで守ろうとしたハクソー・リッジこと「前田高地」。

 メインストーリーは、それはそれで感動的だったのだが、私にとってはこの「前田丘陵四日間の戦闘」の激しさに恐れ慄いた。そこからその戦闘について調べていくうちに、映画の中の戦闘はほんのごく一部であり、一般住民の死についてはほとんど描かれていなかったということだ。

 最初に主人公のデズモンドは、この前田高地奪取作戦の第二陣として送り込まれた。第一陣が日本軍による激しい攻撃でたくさんの戦死者を目の当たりにする。辛うじて生きて戻ってきて兵士たちは「あいつらは恐ろしい。死をまったくおそれないんだ。」と怯えた目で訴えかけた。

 日本兵は次から次へと、地面から湧いて出てくるように襲いかかってくる。死に物狂いの形相で飛びかかってくる様は、ただの映画だと分かっていても夢に出てきそうなくらい恐ろしい。降伏したと見せかけていきなり襲いかかってきたり、夜討ちもあり休む間がない。あの状況では、日本兵が白旗を振って手を上げて降伏してきても、きっとそのまま撃ち殺すだろうと安易に想像できる。

 そういったところを細かく映像にしているところがなんとも切なく哀しい。硫黄島からの手紙もそうだったが、お互いの若い兵士たちにも、母国では両親や恋人が無事に帰ること祈って待っている。その若い兵士が次々とあっさりと死んでいく。戦争とはなんなのだ。やってはいけないことはわかっているのだが、どうして戦争は亡くならないのだろう。

 当時の人たちははじめから長引く戦争になるとは思っていない。一気に決着がつくと思っている。きっと今、台湾や尖閣諸島での戦闘が始まったとしても、すぐにケリがつくだろうと思うかもしれないが、今までの歴史を振り返ってみるとそれがきっかけで世界戦争になってもおかしくないのだ。

 戦争が恐ろしいということは、誰しも知っていることなのに。やってはいけないとわかっているのに、やはり哀しいことに歴史は繰り返す。



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