
あらすじも原作もキャスティングもよくわからず鑑賞開始。
正直なところ、あまり期待していなかったし、狭い人間関係の漁村でのパーマ屋さんでの話にあまり気分が盛り上がらない。
しかも、みんなおばちゃんたちに品がなくてエロ話で盛り上がっている。あまり好きじゃないパターン。
その品のない中で、唯一品のあるのが主役の菅野美穂。
小学生の女の子の母であり、シングルマザー。実家がパーマ屋さんで店の名前が「パーマネントのばら」。店主のおばちゃんが母であり夏木マリが演じている。
菅野美穂の同級生が小池栄子で場末のキャバレーの女。男運に恵まれず、付き合っている男も浮気するので、相手の女を車で跳ねようとして失敗して男を跳ねて大怪我をさせてしまうが、それも警察沙汰にならない無法地帯。
もう一人の同級生は池脇千鶴。こちらも男運が悪く、暴力をふるう男ばかり。最後にやっと暴力を振るわない男と出会って結婚したが、ギャンブル狂いだった。借金抱えて家から出て行ってしまった。
主人公の菅野美穂は家のパーマ屋さんを手伝いながら小学生の娘を育てつつ、中学校の理科の先生(江口洋介)とこっそり付き合っていた。しかし、その付き合いもうまく行っているようないっていないような感じ。すれ違いながらも会えれば仲が良い。
ここまでで全体の2/3くらいなのだが、最後の20分ほどでその世界がひっくり返る。
「え?! そうだったの? 」
ということは?「え??」。
と、そこから今までの出来事や様々なエピソードの見方がガラリと変わって見える。
そして、どうにも切なくなって涙が溢れてくる。
「やられた」
そう思った。そしてすぐにもう一度最初から観たくなった。
そんな映画。
菅野美穂は最初から最後まで可愛くて素晴らしい。小池栄子も夏木マリも池脇千鶴もみんな素晴らしい。
もう数回リピートするだろう映画。