
作家のヒキタクニオが自身の体験をもとにつづった同名エッセイを映画化。本作が映画初主演となる名バイプレイヤーの松重豊が主人公となるヒキタクニオに扮し、妻サチ役の北川景子と年の差夫婦を演じた。「ぱいかじ南海作戦」「オケ老人!」の細川徹監督が、男性不妊に直面しながらも明るく前向きに乗り越えようとするヒキタ夫妻の姿をユーモラスかつ叙情的に描く。49歳の作家ヒキタクニオは、年下の妻サチと2人で仲良く暮らしている。子どもは作らず2人だけで生きていこうと考えていたが、サチの言葉をきっかけに妊活を始めることに。しかしなかなか結果は出ず、クリニックで検査してみると、不妊の原因がクニオにあることが判明する。2人はショックを受けながらも現実を受け止め、夫婦で力を合わせて全力で妊活に取り組んでいく。
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なんと言っても北川景子が美しい。すっぴんでも可愛い。
不機嫌でもステキ。笑ったらもっとキレイ。それに尽きる。
それを上手に引き立てる松重豊。孤独のグルメと同じキャラだが愛おしい。
冷静に出来事を考えると、とても笑えるものではないのであるが、随所にそこに落ち込まないように楽しい工夫がなされている。それはそれぞれの俳優さんの表情であり、小さなエピソードであり、何気ない日常の細かい一つ一つの積み重ねの中で常に前向きでありたいという願いのようなものなのかもしれない。
妊活からの不妊治療。頑張った末に一度は妊娠するが育たず、再びチャレンジしてもなかなか着床せず、やっとやっと出来たと思ったら先天性異常の疑い。喜んでは突き落とされて、頑張って頑張って喜んではまた突き落とされる。それでもこの年の差カップルはいつも助け合って、抱き合って前に歩いていく。そんな姿に心が動かされる。
年の差があると、それぞれに年齢的なことや体調のことで不安を抱えている。妊活、不妊治療でなくてもその問題は有り続けるのに、その上の試練。試練という言葉も違うと思うのだが、もしめでたく子供を授かることが出来たとしても、結婚と同じで「そこからがスタート」。
その道を選んだ夫婦であるから、きっときっと色々と有りながらも前へ進んで行かないといけない。その中で喜びを見つけて、幸せを感じながら死ぬまで生きるのだろう。