
第94回アカデミー賞脚本賞を受賞した作品。
作品賞は「コーダ あいのうた」が受賞し、国際長編映画賞では「ドライブ・マイ・カー」が見事受賞。特にお気に入りだった「コーダ あいのうた」が受賞したのはうれしかったが、Netflix配信の「パワー・オブ・ザ・ドッグ」、「ドント・ルック・アップ」を押し退けて、AppleTV+配信の「コーダ あいのうた」がネット配信系作品初の受賞というのはなかなかの快挙。
今回のアカデミー賞では、平手打ち騒動まで起きてしまって物議を醸したが、日本での反応が「奥さんを侮辱するようなジョークを放ったなら殴られても当然。」と暴力を肯定し、殴った方をカッコイイと言う意見が多かったことも興味深かった。
この「ベルファスト」という作品。「ベルファスト」とは、北アイルランドの最大都市。映画の時代背景は1960年代後半。カトリックとプロテスタントとの騒乱やテロを主人公の子ども目線で描いていく。
主人公である小学生の男の子「バディ」は、明るく快活で日々ご近所の子どもたちと日本でいうチャンバラごっこをしたり、悪戯をしたりと、私からみても懐かしい近所のおじちゃんおばちゃんたちに見守られながら昭和の古き良き時代を過ごしていた、という感じだった。
家族で観に行く映画が「チキチキバンバン」であったので、おそらく私と同世代。この映画は監督であり脚本も書いた「ケネス・ブラナー」の半自伝とされているので、彼が1960年生まれであるからそんな時代である。
いつものように近所の友だちとチャンバラをやっているところで母親から「ご飯だよー」と呼ばれる。「それじゃまた明日ね!」とみんなと別れて家に帰るところでプロテスタントの暴徒の集団がその区画に襲いかかってくる。目の前で突然窓を破られ、火炎瓶を投げられ。車には火をつけられて爆発。そんな光景を目の当たりにして恐怖に怯えるバディ。
父親は、イングランドに出稼ぎに行っていて、時々帰ってくる。バディの住む地区はカトリックの人が住む場所。それをよく思わない多くの住民。その一区画だけは絆で結ばれた町中みんな家族というような場所なのだが、そこが襲われる。
徐々に日常生活が脅かされるようになってきて、父親の働く場所のイングランドに移住しようかという話も持ち上がる。しかし、そちらへ移住しても差別的な扱いを受ける可能性も高いし、何より家族同様に暮らしてきた町の人々と離れることが辛い。
そんな状況において、バディから見た世界、その両親の葛藤、そして持病のあるバディのおじいちゃんと心配性のおばあちゃんが描かれていく。
この映画で一番共感したのは、バディではなくバディの祖父母であった。不安に怯えるバディを慰め、喧嘩をする両親を余計な口出しもせずに見守りそして相談にも乗って、いつでも仲良くあろうとする老夫婦。そんなところにしみじみと泣けてきた。
自分がその年齢に近くなったせいなのか?若夫婦よりも老夫婦の方に共感し、その夫婦の方がこの映画の主役だったのではないかと思うくらいだった。
劇中、たくさんの名セリフがあった。メモを取りたいくらいだった。
一つだけプッと吹き出してしまったおじいちゃんのセリフ。
バディがイングランドに移住したら言葉もうまく通じないんじゃないかと不安になっているのを見て、
「大丈夫、わしなんてばあさんと50年も一緒にいるが、今でも言葉が通じないんだ。」
こんなおじいちゃんになりたいものだ。
98分という短い映画だったが、まったく物足りなさはなく充実した時間を過ごせた。午前8時45分からスタートして長い長い広告やら予告編を見て、終わったのが午前10時40分頃。さすがに昼ごはんには早いし、まだトンカツ屋さんも空いていないので、本屋さんなどで時間を過ごして午前11時30分に久しぶりにいつものお店へ。

ロースカツランチ(880円)。キャベツとご飯おかわり自由。
満腹食べて外に出ると、ちょうど雨が上がっていた。近所の公園では桜が5分咲き。
雨粒のついた花びらが、雨雲の下で光っていた。

宗教的な争いの映画を見るたびに思います、
今の日本に宗教戦争が無くてよかったなぁって
そもそも真剣に仏教やってる人も少ないので、争いにもならないしね。
邦画はほとんど観ないけど、ドライブマイカー配信されたら見ようかな
Akiさん
理不尽なことで殴られ、殺され、差別されということが、今の時代でも当たり前のように行われてしまっているだけに、すごくリアルでゾッとしました。
「ドライブマイカー」は、3時間もあるのか?と躊躇しますが、見始めたらあっという間でした。ぜひ。
とんかつ、おいしそう。
とんかつは揚げたて最高!
ソースもおいしそう。
しんちゃんママさん
付属の味噌ダレが美味しかったです。トンカツはパワーの源です。(^_^)
脚本がよくないといい作品にはならないのでしょうね。作品賞はそれも上回るってことかしら。ドライブマイカー見てみたいと思うのですが、村上春樹さんの原作を読んで、ええ、という感じです。
とんかつ、たまに家で揚げてみることはあるけど、外ではずいぶんと食べてないです、キャベツの千切りがたっぷりとのイメージがあるのですが、最近はそうでもないのかな、キャベツも安くないですものね。
ソメイヨシノ、意外に遅いのですね、近所は満開です。
アプリさん
原作を読まれましたか。私はまだなんです。原作は短編なのに、映画は長編。映画はとてもよかったです。
キャベツの千切りは、今回いきなりいつもの半分くらいの盛りになったような気がします。でも、おかわり自由なので、好きな人はお替りしますので大丈夫です。(^_^)