
「そして父になる」の是枝裕和監督と福山雅治が再タッグを組み、是枝監督のオリジナル脚本で描いた法廷心理ドラマ。勝つことにこだわる弁護士・重盛は、殺人の前科がある男・三隅の弁護を仕方なく担当することに。解雇された工場の社長を殺害して死体に火をつけた容疑で起訴されている三隅は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない。しかし三隅の動機はいまいち釈然とせず、重盛は面会を重ねるたびに、本当に彼が殺したのか確信が持てなくなっていく。是枝監督作には初参加となる役所広司が殺人犯・三隅役で福山と初共演を果たし、「海街diary」の広瀬すずが物語の鍵を握る被害者の娘役を演じる。第41回日本アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本、助演男優、助演女優、編集の6部門で最優秀賞を受賞した。
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役所広司の目力に圧倒される。
福山雅治もとてもいいのだが、それを吹き飛ばすほどの存在感がすごい。
是枝監督はこの話の脚本を書いて、映画も自分で撮ってしまう。よくまぁこんな複雑な話を作ってしまうなと感心するばかり。広瀬すずちゃんも好演していて、先日視聴した「一度死んでみた!」がかなり弾けていたので、そのギャップが半端ない。朝ドラ「なつぞら」もそうだが、どの映画もガラリと雰囲気が違ってお見事としか言いようがない。
話の方は、警察での取調べにおいて、犯人である役所広司の自白の内容がコロコロと変わって振り回される弁護側。その真意はどこにあるのか、真犯人は誰なのか?動機はなんなのか? 殺された人物にも悪い部分がたくさん出てきて、その奥さんまで疑われて、その娘までが巻き込まれていく。
裁判が始まってからも相変わらず振り回されてそのまま判決を迎えてしまう。
「そうだったのか!」というのを楽しむ映画ではなく、「これはどう取ればいいのだろうか?」と観終わった後もしばらく腕を組み考え込んでしまうような映画。そんな難しい映画であるが、もう一度観てみたいような中毒性もあるような気がする。広瀬すずに母親役の斉藤由貴も見事な演技で目が離せなかった。