
2008年の監督・主演作「グラン・トリノ」で事実上の俳優引退宣言をしていたクリント・イーストウッドが、4年ぶりに銀幕復帰を果たしたドラマ。大リーグの伝説的なスカウトマンとして知られるガスは、年齢による視力の衰えを隠せず、その手腕に球団フロントが疑問を抱き始める。苦しい立場のガスを、長年離れて暮らしていたひとり娘のミッキーが手助けすることに。父と娘が久々に対じすることにより、秘められた過去と真実が明らかになる。「マディソン郡の橋」(1995)以来17年にわたり、イーストウッドから映画製作を学んだロバート・ローレンツがメガホンをとり、イーストウッドが自身の監督作以外で俳優に徹した主演作としては「ザ・シークレット・サービス」(93)以来19年ぶりとなった。撮影のトム・スターン、美術のジェームズ・J・ムラカミら、イーストウッド組のスタッフが集結。共演にエイミー・アダムス、ジャスティン・ティンバーレイクら。
映画.com
この映画でも頑固な父親を演じているクリント・イーストウッド。
程度の差はあれど、共感できるところはたくさんある。そこまで口悪くないなと思いつつも、基本的なイライラは同じかもしれない。
娘と折り合いが悪いのは、過去にいろいろあった。そこを修復したいとは思っているが、なかなかそれが難しいのもわかる。理屈じゃない。
娘からのアプローチもとてもうれしいのだが、そんなことで娘の人生の大切な場面を台無しにさせたくないという気持ちもわかる。でもそういうことは娘となかなか折り合いをつけるのは難しく、じっくり話し合おうとしても、心とは裏腹の言葉ばかりが口から出てきてしまう。
自分は一体何をやっているんだというジレンマ。そして容赦なく衰えていく自分の心と体。
ここでいう人生の特等席というのはどういう意味で言っているのか、それは観た人それぞれに思うところがあると思う。
自分がどのような経験をしてきて、この映画とどのくらい重なる部分があるのか、どれくらい共感でいるところがあるかによって、この映画の評価は変わってくるだろうと思う。
私はこの映画が好きだ。そして、不覚にも途中でホロリとしてしまった。