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映画「峠 最後のサムライ」

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仕事を終えて晩ご飯を急いで済ませてから、妻と歩いて映画館へ。日没後の夕空にはラフに引いた線のような飛行機雲が夕日に光っていた。

 暑い暑い1日が終わって、日が沈んでもまだ暑さが残っているので早く冷房の効いた映画館に入りたかった。

 今日は「映画の日」なので、1,100円で観られる。上映が延期になってやっとやっと観ることが出来たこの作品は、黒澤明監督の助手を務め、市川崑監督にも仕えた名監督小泉堯史氏。

 「雨あがる」「阿弥陀堂だより」「博士の愛した数式」「明日への遺言」「蜩の記」「散り椿(脚本)」の名作を作り上げた人。

 幕末の動乱期を描いた司馬遼太郎の長編時代小説「峠」を、「雨あがる」「蜩ノ記」の小泉堯史監督のメガホン、役所広司、松たか子、田中泯、香川京子、佐々木蔵之介、仲代達矢ら日本映画界を代表する豪華キャストの共演で映画化。徳川慶喜の大政奉還によって、260年余りにも及んだ江戸時代が終焉を迎えた。そんな動乱の時代に、越後長岡藩牧野家家臣・河井継之助は幕府側、官軍側のどちらにも属することなく、越後長岡藩の中立と独立を目指していた。藩の運命をかけた継之助の壮大な信念が、幕末の混沌とした日本を変えようとしていた。「蜩ノ記」に続いて小泉監督作に主演する役所が主人公となる継之助に扮し、継之助を支え続ける妻おすがを松が演じる。

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 冒頭の7〜8分は、二条城にて徳川慶喜役の東出昌大くんの長い語りの大政奉還シーン。これが緊張感のあるシーンで掴みはOKだった。東出くんの出番はここだけだったが存在感は大きかった。

 そこから舞台は長岡藩に移り、大雑把に時代背景が語られるが、まったく歴史的な知識がない人にとってはなんで官軍が攻めてくるのかもよく判らなかったんじゃないと心配になるほどだった。

 「みんなこのくらいのことはご存知ですよね?」というのを前提で話が進む。

 最初に「おお!」と感動したのが、主人公の河井継之助(役所広司)と妻(松たか子)がお座敷で酒を飲み、一緒に盆踊りのようなものを踊るシーンがあったのだが、松たか子の踊りの美しさに惚れ惚れした。考えてみれば日本舞踊松本流名取であるから上手で当然なのかもしれないが、さりげなくお遊びで踊る盆踊りのその美しさに感動した。

 タイトルに「最後のサムライ」とあるように、「武士とはかくあるべき」というセリフが多い。

 長岡藩は、官軍との間に圧倒的な戦力の差があっても、できたら降伏はせず、中立と独立に希望を持っていた。勝つことは難しいがどうか戦いは避けてる方法はないかと知恵を絞る。

 奥州の各藩で助け合いながら官軍をどうにかやり過ごしたいが、もしここで降伏すれば、今まで一緒に戦ってきた隣の藩を攻めるための先鋒を任されるという現実が待っている。そんなことをするくらいなら戦って散っていく方がよほどマシだと考える。戦争とはそういうもの。そんなリアルなことを考えさせられる時代劇だった。

 どのシーンも印象的であり、よく考えられた構図と人の動き、そして役所広司の気概が感じられた。

 役者さんたちも、小泉監督作品ということで気合が入っているのか、その緊張感がひしひしと伝わってくる。歴史に残る作品にしようという盛り上がりが感じられた。

 サムライというものを、美しく撮りつつも、しかもその中にリアルさも感じられつつ、当時幕末の侍の悲哀を感じさせられた。

 最近観た戦争映画でも、最前線で殺し合っているのは田舎の貧乏な家の若者であったり、被差別の人であったり、降伏した敵だった兵士が軍服を変えて戦っていたり、金と略奪目当ての傭兵だったりすることが多い。自分はなんのためにここで殺し合いをしているのだろう?とふと我に還った時にどうしようもない虚しさを感じている。

 

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