
かなり衝撃的だった。
タイトルは知っていたが、あらすじはまったく知らずに鑑賞開始。
2時間半という長い映画であったが、あっという間だった。
第二次世界大戦、ドイツが隣国ポーランドに侵攻しユダヤ人を抹殺しようとしていた。
ユダヤ人である主人公は、ピアニストでありラジオで演奏しては収入を得ていた。徐々にドイツの侵攻が進み、ラジオ収録中にも爆撃が起こる。
イギリスやフランスがドイツに宣戦布告し希望を見出すが、それでもドイツ軍によるユダヤ迫害はついに主人公の家族にまで及ぶことになる。
家族全員が貨物列車に入れられ運ばれる時に、たまたま知り合いによって主人公一人が救われる。そこから知り合いの伝手で匿ってもらったりするが、それでもいつも生命の危機すれすれの状態。
最後は一人だけ助かるわけであるが、これほど怖い戦争映画は「プライベートライアン」のオープニング以来かもしれない。
ドイツの侵攻を受けて、
「ユダヤ人出てこい!」
集められて有無を言わさず銃殺される。
財産は没収されて、虫ケラのような扱い。
これが日本にとっての隣国の侵攻を受けて、
「日本人、出てこい!」
と言われて、「そこで裸で踊れ!」
断れば即座に銃殺。
神も仏もいない状況に耐えられるだろうかと思う。
戦争とはなぜ人をここまで残忍にするのだろうか?
これが本来の姿なのだろうか?
陸上でも、海の中でも、
日々、弱肉強食の世界が繰り広げられている。
きっとヒトも基本似たようなものなのかもしれない。
最後は散々やりたい放題だったドイツ兵士が捕らえられ、
ユダヤ人に命乞いをするシーンも出てくる。
それに唾を吐きかける。
「あの時は仕方なかった。そうしないと自分がやられた。」
いじめ問題も同様にその繰り返し。
長い年月に渡ってヒトはずっとそれを繰り返してきた。
これからもきっとそれを繰り返していくのだろう。
そんなことを考えさせられた映画だった。