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映画「父親たちの星条旗」

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「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」のクリント・イーストウッド監督が、太平洋戦争最大の激戦だったといわれる硫黄島の戦いを日米双方の視点から描く映画史上初の2部作。本作はその第1弾で、アメリカ側の視点による作品。硫黄島の擂鉢山に星条旗を打ち立てた6人の兵士の写真の真実と、戦場から生き残り米本土に帰還した3人のその後の人生を描く。

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 「硫黄島からのて手紙」との2部作。前者が日本側からの視点。そしてこの映画がアメリカ側の視点になる。

 映画のポスターにもなった上の写真が、この映画の重要なポイント。

 硫黄島の激戦において、最大の拠点である摺鉢山の山頂に、星条旗を打ち立てられた瞬間の一枚の写真。これが本国アメリカでとても勇気づけられる写真となる。写真に写っている6人の兵士は誰なのか?それを戦地から引き上げさせて英雄にまつりあげて、困窮する国費を賄うための国債を国民に買ってもらおうと一大キャンペーンを打つ。

 しかし、実際のこの写真は本来の国旗とは違う代わりのものであって、最初に摺鉢山に国旗を打ち立てて兵士は違う兵士であった。その国旗を立てた瞬間に日本兵に狙われて死んでしまった兵士もいたのだ。そのことを知っていた兵士は、自ら英雄になることを拒んだ。しかし、仕方なしに誤解が誤解を生み、真実はどうでもいいことになり、国債を売りまくるための作り上げたヒーローになり切るしかなかった。

 英雄なんていない。皆、父のような普通の人だけだ。父が英雄と呼ばれるのを嫌がった気持ちがわかる。

 図らずも英雄を演じた父親、その息子がのちにそう語る。

「英雄とは人間が必要に駆られて作るものだ。
そうでもしないと命を犠牲にする行為は、理解し難いからだ。
国のための戦いでも、死ぬのは友のため
共に戦った男たちのためだ
彼らの栄誉を讃えたいなら
ありのままの姿を心にとどめよう。
父がそうしたように。」

 とても心に響く映画だった。



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