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映画「長いお別れ」

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父・昇平の70歳の誕生日で久しぶりに集まった娘たちは、厳格な父が認知症になったという事実を告げられる。日に日に記憶を失い、父でも夫でもなくなっていく昇平の様子に戸惑いながらも、そんな昇平と向き合うことで、おのおのが自分自身を見つめなおしていく。そんな中、家族の誰もが忘れていた思い出が、昇平の中で息づいていることがわかり……。

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 どの俳優さんも上手でスッと入りこめた。特に蒼井優ちゃんはどの作品でも感心して観てしまう。山崎努の演技はもう見事と思うどころか、もうそのもの何も違和感も感じないので、それがすごい演技も何も感じないくらいだから相当すごいのだろう。

 認知症になってしまった父が、家族も忘れていた思い出を遡っていくことに関しては、5〜6年前に死んだ飼い犬を思い出してしまった。

 死ぬ1ヶ月くらい前になったら徐々に歩けなくなってきて、それでも散歩には行きたがる。どうにかして目的の場所に行くのはいいのだが、帰りはもう歩けなくなって抱っこして帰ることになるの繰り返しだった。

 その行きたがる場所が問題なのだ。

 毎晩違う場所に行きたがる。それは「どうしてもそこに行かなければいけないんだ」という必至さがヒシヒシと伝わってくるのだ。足を引きずってでもその方向へと向かう。

 そして、その場所にたどり着いたときに、ホッと安心した顔で荒れていた呼吸が落ち着いてくる。

 その場所に着いてやっと私が思い出す。

 「そうだ、この場所は娘二人と一緒に散歩に来て遊んだ場所だったね。まだ子犬だったろうによく覚えていたね。あれからは一度も来ていなかったのに、そんなに楽しかったのかい?」

 そう思ったら泣けてきた。

 「この場所は、みんなで家族写真を撮った場所だね。あの時は珍しくお前も一緒に写ったんだっけ。抱っこしたら嫌がって暴れたじゃないか。みんなと一緒に写真に写ったのがそんなに嬉しかったのか?」

 これを書いていても泣けてくる。もっともっとたくさん散歩に連れて行ってあげればよかった。もっともっと遊んであげれば良かった。心からそう思った。

 あんな些細なことでもちゃんと覚えていて、死ぬ間際になってそれを思い出させてくれた。あれはなんだったのだろう?

 いつもは決まったコースを決まった時間に一周してくるだけの散歩だったのに、最後の1ヶ月は足を引きずりボロボロになりながら、子犬の時に一緒に遊びに行った場所に、毎日違う場所に向かった。

 帰りは大抵疲れて歩けない。だから抱っこして帰ってくる。でも腕の中でキミは安心したように目を閉じていた。

 そんなことをことを思い出しながら見ていたら、もう泣けて泣けて仕方なかった。

 いい映画です。

 



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