
2回目の鑑賞だが、前回は13年前の2009年。
人気時代小説作家、藤沢周平の剣豪小説「隠し剣」シリーズの「隠し剣鬼の爪」と、人情時代小説「雪明かり」を原作に、「たそがれ清兵衛」の山田洋次監督が映画化。幕末の東北の小藩。秘剣を身につけた下級武士、片桐宗蔵は、かつて好意を抱いていた奉公人きえが病に倒れたと知って引き取り、心を通わせていくが、藩の江戸屋敷で謀反が発覚し、お家騒動に巻き込まれる。共演は高島礼子、小林稔侍、田中邦衛、倍償千恵子ら。
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クソがつくほど真面目な下級武士である片桐。「武士とはこうあるべき」という一つの信条があり、それ故に貧乏生活も出来るが、ややこしいことにも巻き込まれることにもなってしまう。
彼にとっては「藩命は絶対」である。それが昔の同志を殺すことであってもだ。しかし、彼なりに考え、最善の策を見出そうとする。結果的には悲しい結末になってしまうが、それをかつての剣の師範に教えてもらった「隠し剣」を使うことで一矢報いる。
痛快という事はないが、ずっと権力に押しやられた下級ゆえの哀しみは続くことになり、どうにもならないもどかしさは変わりがない。
そんな男の哀しさを永瀬正敏が上手に演じている。相手役の松たか子も好演。
山田洋次監督の藤沢周平原作三部作の2作目になるこの作品も、他の2作品同様見応えのある作品となっている。
藤沢周平作品、好きです。
宝塚でもタイトルを変えて、上演されました。
しんちゃんママさん
>宝塚でもタイトルを変えて、上演されました。
そうでしたか。映画でも永瀬正敏と松たか子のやりとりが、今の時代にはないなんとも言えぬ男女の駆け引きが楽しかったです。時代劇ならではの独特な恋愛の描き方ですよね。