
小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、鈴木京香ら豪華女優陣が共演し、「食」と「性」をテーマに8人の女たちの日常を描いた筒井ともみの短編小説集「食べる女 決定版」を映画化。雑文筆家のトン子こと餅月敦子は、古びた日本家屋の古書店「モチの家」の女主人。料理をこよなく愛する彼女の家には、恋や人生に迷える女たちが夜な夜な集まってくる。トン子を担当する編集者で男を寄せつけないドドこと小麦田圭子、ドドの飲み仲間であるドラマ制作会社の白子多実子、求められると断れない古着屋店員の本津あかり、いけない魅力を振りまくごはんやの女将・鴨舌美冬ら、年齢も職業も価値観もバラバラな彼女たちを、おいしい料理を作って迎え入れるトン子だったが……。男性陣にもユースケ・サンタマリア、池内博之、勝地涼ら個性豊かなメンバーが集結。原作者の筒井自ら脚本を手がけ、「手紙」の生野慈朗が監督を務めた。
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女性の性欲と食欲に関する映画といっても過言はないだろう。
若い女性から経験豊富な女性まで様々なタイプの女性たちだが、共通するのは食欲の占める割合の多さ。
どの女優さんも実生活においてもそれぞれに男の影があるだけに、それが実際どうかは分からないが、それを踏まえてのキャスティングだろうし、それをイメージしながら鑑賞するとこれまた深く興味深い映画になる。
小泉今日子の演技は、さりげなく見事ととしか言いようがない。ずっと見ていたい気持ちになる。年齢を重ねるごとに違った魅力が次から次へと湧いて出てくるように見える。
沢尻エリカも同様で、見事だった。今は薬物事件で仕事は出来ない状態だが、早いところ復帰をして欲しい女優さんの一人。
元AKB48の前田敦子も、「元AKB」というのは既に必要ないと思うほど立派な女優さんになっていると感じる。今の夫となる勝地涼とはこの映画で知り合ったのかな?と思ったが、その前にドラマ「ど根性ガエル」で共演していたそうな。
広瀬アリスも熱演している。出会った男にはいつも挽肉料理を振る舞うが、良いように利用されるだけの都合の良い女になってしまっている女を切なく演じている。
鈴木京香はもう神業のような演技で感心しきりであった。なんとも言えぬ女性の色気。仕草ひとつとってもため息が出るほどだった。
これだけの女優が揃っていて素晴らしい演技をしているのだが、映画全体の評価が「星三つ半」というのは何が悪いのだろうと思った。確かにここの演技を見ればどの俳優も素晴らしい。正直、途中少し飽きて他のことをやりながら見ていた時間もあったほど。どこの部分でそうだったかというと、壇蜜のエピソードの時。壇蜜は嫌いじゃないし、演技も問題ないと思うのだが、ここに壇蜜と子供のエピソードは必要だったかな?とも思ってしまった。
私の総合評価としては星4つはあげたいところ。出来ることなら小泉今日子、鈴木京香、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリスを固定メンバーとして、2作目、3作目、あるいは1話完結のドラマ化にして欲しい作品でもある。
もしまた続編が制作されるようなら観てみたい作品だった。