
電話から聞こえる声と音だけで誘拐事件を解決するという、シンプルな設定と予測不可能なストーリー展開で高い評価を獲得した同名デンマーク映画を、ジェイク・ギレンホール主演・製作でアメリカを舞台にリメイク。911緊急通報センターに勤務するコールオペレーターのジョー・ベイラーは、1本の謎の電話から、通報者の女性が何者かに拉致されたことを予測する。電話から聞こえてくる声と音だけを頼りに彼女を助けようとするジョー。しかし、次第に何もかもが自分の思っていることとは違っていることに気づき……。イーサン・ホーク、ライリー・キーオ、ポール・ダノ、ピーター・サースガードら実力派キャストが、ジョーと電話を通じて交わる人物として声の出演。監督は「トレーニング デイ」「イコライザー」のアントワン・フークア。脚本に人気テレビシリーズ「TRUE DETECTIVE」のニック・ピゾラット。Netflixで2021年10月1日から配信。それに先立つ9月24日から一部劇場で公開。
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日本で言えば「110番」を受ける男性オペレータさんの話。
でもこのオペレーターさんは元々はお巡りさんで、以前勤務中に未成年の青年に発砲してしまい、その裁判を控えている状態。そんなところにある女性からの緊急連絡が入る。
電話では、誰かに拉致されて車で移動中の様子なのだが、映像は最初から最後まで緊急通報センターの主人公だけ。その主人公の表情と通話音声だけで話が展開していく。
通話だけで向こうの状況を予測していく。拉致されている女性、拉致したと思われる男性、拉致された女性の子供、そして、その車を追うように指示を出し、拉致したらしき男性の自宅を捜索させ、女性の自宅にもパトカーを向かわせる。
およその事件の概要がわかってくるのだが、徐々にその予想が大きく変化してくる。
通話音声と主人公の表情だけで、電話の声の向こうで起こっている出来事の映像を映画の鑑賞者に委ねることで、より一層映画の深みが増すように思える。それだけ人の声というものが、多くのことを物語るということなのだろう。
最後のどんでん返しと見事な結末に、「面白い映画だったなぁ」と肩をスッと下ろすことになる。
90分の短い映画だが、とても楽しめた。