「正」とつく字は色々と問題を起こす。
「正しいこと」「正義」「正論」「正体」「正常」「正式」「正当」などなど、枚挙にいとまがない。
これらどれをとっても、喧嘩の元にもなり、
結論のない論争のネタにもなる。
「君の言っていることは ”正論” だけど」
その「正論」なんてものだって、何を基準にして誰の立場で「正論」と言っているのかもわからない。
多数決で決めるのか、大きな声の人が勝つのか、口の達者な人や腕っぷしの強い人の意見が通ってしまったりもする。
これはどんな知的でハイレベルと思われるところでも同じようなことが起きている。
存在すらはっきりしないものに判断を委ねることもあるし、
運に任せたりもする。
科学的に実験をしてみてその結果で決めようとしても、
どの角度から計測するのか、どの計測機器で測るのか、
その結果をどう判断するかでも変わってくるから厄介である。

ではそんな「正」なんてものは無いというと、それはそれで却って厄介なこともある。
とりあえず「正」みたいなものを決めておこうよ。大体このあたりってさ。
と言っても、それを決めるのもまた大変。
「そんなのどっちでもいいや!」って思っても、いざ自分に危害が及ぶようになるとそう気楽なことも言っていられなくなる。
でも、自分に影響がない時には「そんなのどっちでもいいわ」で良いとおもう。