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読み返し本と映画「雨月物語」

投稿日:2023年1月18日 更新日:

 新しい出会いを期待して新刊本を探して読むのも楽しいが、昔、夢中になって読んだ本を読み返すのも良いだろうと、断捨離して精鋭だけ残した本棚から数冊取り出してきて久しぶりに開いてみた。

 右端の会田雄次著「日本人の意識構造」は、高校時代に父から譲られた本だったか?大学受験の面接時に、愛読書は?と聞かれた時、咄嗟に「会田雄次の日本人の意識構造です」と、無謀にも応えてしまった本だったのでよく覚えている。

 手前の2冊は、尊敬する渡部昇一氏の日本史から見た日本人論で、渡部昇一氏の日本人を愛する気持ちと誇りが伝わってくる私にとってのバイブルのシリーズ。高校、大学時代に読んだ本を再び開いた時に、当時の感想とはまたまったく違った感情が湧いてくるのが楽しい。これらの本が書かれたのは、昭和43年〜45年あたりであるが、古さを感じないところがすごい。今でもその文章力にぐいぐいと引き込まれて、つい時間を忘れてしまうほどだ。

 少しは休憩しようと、夜はAmazonプライムで古い映画を観てみた。タイトルはよく知っていたが、内容はまったく知らないモノクロ映画。

 「雨月物語」

 京マチ子・田中絹代が出演し、完璧な演技に魅了された。

巨匠・溝口健二の代表作で、戦乱の中で世俗の欲に翻弄される人々を幽玄な映像美で描き、多くの映像作家に影響を与えた世界的名作。上田秋成の読本「雨月物語」に収録された「浅茅が宿」「蛇性の婬」の2編にモーパッサンの短編「勲章」を加え、川口松太郎と依田義賢が脚色、宮川一夫が撮影を手がけた。戦国時代、琵琶湖北岸の村。戦乱の到来を機に大儲けを狙う陶工・源十郎と、侍として立身出世を夢見る義弟・藤兵衛は、それぞれの家族を連れて舟で琵琶湖を渡り都を目指す。旅の途中、源十郎の妻子は戦火を怖れて引き返し、藤兵衛は妻を捨てて羽柴勢に紛れ込む。やがて源十郎は、若狭と名乗る妖艶な美女から陶器の注文を受け、彼女の屋敷を訪れるが……。1953年・第14回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞に輝いた。

映画.com

映画の舞台が、琵琶湖北部の長浜や、北西の海津とか「朽木」が出てくる。

信長が討たれた後に長浜に羽柴秀吉が入り、そこへ柴田勝家の軍勢が入り込んでくることで村人が巻き添えをくう。そんな折に、貧乏な村人の一人が陶器を焼いて長浜に売りに大儲けをして帰ってきた。妻は、それ以上欲をかいてはいけないというが、男は必死に陶器を焼いて再び街へと売りに行こうとするが、そんな時に柴田の荒くれた兵に襲われる。

 そんな映画のストーリーは、すべてWikipedia(雨月物語)に最後も落ちまで書いてあるので、そちらを読まれるのも良いでしょう。1時間半ほどの映画。古い映画であるが、あっという間に最後まで飽きずに鑑賞することができたのがそれだけでもすごい。京マチ子の妖艶さと、主人公の妻の田中絹代の演技も秀逸だった。

 良いものは、時間が経過しても良いものは良いなと感じるばかり。

 そんな話を妻にも話していたら、「ちょっと待っててね」と言って自分の本棚へと向かって持って帰ってきたものがこれ。

 よく残してあったもんだ。「春雨物語」っていうのもあるのか?知らなかったぞ。早速これも読んでみようと思う。

 近頃、自分でも子供の頃に好きだったことにどんどん回帰していくなぁと思うばかり。

 小学生の頃に学研の百科事典を開いていたのも、日本史、生物、天文気象。そして、趣味の音楽。色々と巡り巡って、最後はまた子供の頃に一番ワクワクしていた時の分野に戻っていく。そんな気がしてならない。

-ひとりごと, 映画, 歴史

執筆者:


  1. Aki より:

    写真の森雅之はもしや火野正平の父親?ってググってしまった(違ったけど) 

    時々モノクロ映画ってテレビでやるけど、色が無い分引き込まれやすいのかねぇ、それとも和服が合うのかな、眠狂四郎もモノクロで見たほうが何か面白く感じるような気が…
    怪獣モノ以外初めて見たカラー映画がたぶん勝新の座頭市、おむすび食べてるシーンでいきなり切り合いが始まり、ご飯が血に染まるのがリアル過ぎて、ストーリーそっちのけで慄いてて終わってしまった、ある意味出血のないテレビドラマのほうが楽しめるよね・・・

    • KURI より:

      Akiさん
       モノクロ映画が引き込まれやすいのは、色がないところを自分の頭でそれを補おうとフル回転するのか、なんだか活性化します。とても新鮮でした。

  2. アプリ より:

    雨月物語、名前は聞いたことはありましたが、内容は知らなくて、ウイキを読んでちょっと考えさせられました。

    家は夫婦で本や雑誌類かなりの数が保管されています。自分の分だけでも、もう、雑誌は潔く処分しようかと思いました。

    • KURI より:

      アプリさん
      >雨月物語、名前は聞いたことはありましたが、内容は知らなくて、ウイキを読んでちょっと考えさせられました。
       私もそっくりそんな感じでした。
       江戸時代後期に書かれた作品で、その原本は読んでおりませんが、妻が持っていた子供向けの本を読ませてもらったら、これが結構面白くて引き込まれました。映画もその原作を上手に話を変えて飽きさせないように上手く出来ていました。(^_^)

  3. しんちゃんママ より:

    最近、本屋さんで本を買ってないなぁ。
    本を購入のきっかけは新聞下段の広告が多い。すぐセブンネットで予約して、数日後にセブンイレブンで引き取り。Eテレの番組テキストをよく買います。(その場で在庫確認ができるので便利)

    待ち時間の長い病院(医院)に行く時は軽めの本持参。
    今月は『仏教抹殺(廃仏毀釈)』、先月は〝日本全国 県境の謎〟。
    病院待ち時間用が数冊あり、ローテーション。

    電車内で本を読んでいる人が少ないなぁ。若い人もシニアもスマホ。
    昨日、隣りに座った男性(大学生?)はスマホと文庫本の二刀流。「珍しいなぁ!」と横目でチラチラ。

    • KURI より:

      しんちゃんママさん
       老眼で紙の本が読みづらくなったこともあって、スマホで文字を拡大して読むことが多くなりましたが、どちらが目が疲れないかというと、スマホの方が疲れます。

      >スマホと文庫本の二刀流。
      私も見たことあります! 右手でスマホを持ってパズルゲームを忙しくやっていて、左手は文庫本を読んでいる。なんて器用なんだ!?と感心しました。

      • アプリ より:

        ちょっと失礼します。

        スマホでパズルゲームをやりながら文庫本ですか、器用ですね。

        たまに電車に乗り座って前を見渡すとほとんどスマホを見ていますね。
        私もついスマホを見てしまいます、笑

        病院では、年配者が多いせいか、何もせずに待ってる人が多いように、まあ、付いているテレビ画面を見ているのかもしれません。私は必ず、読める本などを持参してます。ただ集中力は落ちますね。

        • KURI より:

          アプリさん
          >パズルゲームをやりながら文庫本ですか、器用ですね。
           すごいなぁって感心しました。
           周りはほとんどスマホですよねー。何をやっているのだろう?ってそっと覗き込むと、半分くらいはゲーム。他は、SNSですかね。
          そんな中で姿勢良く文庫を広げている女性を見ると、それだけで魅力的に見えます。(^_^)

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