邦画好きがまた長い邦画を借りてきました。今日は宮部みゆき原作の「理由」です。監督は尾道三部作などで有名な大林監督です。
宮部みゆきはほとんど読破している私ですが、映画化されたものを観るのは初めてかもしれません。あの宮部ワールドを大林監督がどのように映像化してくれるのか楽しみなところです。
この小説はとっても長い小説でした。あれは映画化するのは大変だろうなと思いましたが、結論から言うと、「思ったよりは良かった」という感想。最初から期待していないという事ですが、その割にはうまく描いているなと思いました。
あるマンションの20階の1室で3人が殺され、一人がその20階から転落死した。その部屋で殺された3人および転落死した1人は最初は家族かと思われたが赤の他人であることが分かる。なぜこの4人がここで暮らし、なぜ殺されたのか。それを107人の証言を元に検証して行く映画になってます。
日本の俳優を全部集めたの?というくらい大勢の俳優さんが次から次へと出演しては証言をしていきます。どの俳優さんも主役をはれるようなベテランさんです。
宮部みゆきの小説の展開をそのまま映画にしたような感じではあります。なるほどうまくやったなという印象もあります。ですが、なんでしょうかこの物足りなさと頭の中のごちゃごちゃ感は。長い小説を160分の映画にするのはやはり無理があったのか。原作の素晴らしさを知っている故の感想なのか。やはり原作が凄過ぎるのだと思います。あの独特なおどろおどろした感じと忍び寄る何とも言えぬ恐怖感は、宮部みゆきの文章が醸し出す独特なものなのでしょう。その雰囲気を映像で6割くらいは再現しているが、やはり文章によって自分の頭の中に描いた映像には決して勝てない。これは当たり前のことなんですが、やはり期待してしまう。そこが作り手の方としても難しいところなのでしょうね。
努力賞ということで、星3つ。
DVD「理由」
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執筆者:biglobeKURI
先に本の方を読んでいて、それが映画化なり、テレビドラマ化なりされると、本の内容とは違ったりでがっかりすることもありますね。ましてや、長い小説が2時間の映画やドラマに化かそうとするとどこかをカットするしかないのでしょう。また、すじをすこし変えてあったりとか。
長い小説は、やはり、連続ドラマにしてほしいです。
逆にテレビやドラマで見ていてから、本を読むこともあります。でも、なかなか、すじを知ってしまって読むと感動が薄れますし、読み方も雑になってしまいます。
いい作品は、予備知識もなく、文章で味わいたいのが、正直なところです。それが、著者への礼儀でもあるような気もします。
アプリさん、こんにちは。
原作と映画は別物と思わないといけないのかもしれませんね。
自分で作り上げた頭の中のイメージが映像化されて見られると期待して観に行くと、たいてい裏切られますからねぇ。違うのが当たり前なんですよね。
>それが、著者への礼儀でもあるような気もします。
確かにおっしゃる通りです。