「殯(もがり)の森」HP
茶畑が広がる奈良の小さな山村。軽度の認知症老人のための旧家を改造したグループハウスでの話。33年前に愛妻を亡くした主人公の「しげき」と、不注意で我が子を亡くした新人介護スタッフの真千子。ある日、しげきと真千子の二人でしげきの亡き妻の墓参りに行くことになったが、真千子の運転する車が山の中で脱輪してしまい、どうにも動けなくなる。人を呼びに行くが、その間にしげきが山の中に入ってしまい、それを追いかけながら二人で山の深くへ入り込んでしまう。
今でも亡くなった妻を愛し続けるしげきと、自分の不注意で子供を亡くし心に傷を持つ真千子が、毎日の生活の中で生き残った者と死者との間の溝を埋めて行く。
何だかとても感動しました。山の中に迷い込んだ二人がさまよい歩くシーンが美しい。ただ深い森の中を歩いているだけのに、何か引きつけられる映像です。刺激的な映像もないし、もしかしたら周りのお客さんは寝ているのでは?と思いながら観ていましたが、これが意外とみんなしっかりスクリーンをみつめています。
無駄なシーンは一切カットした感じがあり、とってもシンプルで気持ちがいいほど。役者さんの演技もすばらしく、こちらにも緊張感が伝わります。
のっけから葬列のシーンではじまり、グループホームの老人の顔をアップで映したり、その老人たちに「死」について質問したり、「死」というものを意識させるのですが、その「死」というものと「生」というものの境界はどこにあるのか、生き物の生と死を押し付けがましくなく考えさせられる映画でした。死んだらどうなるのだろう?生まれてくる前はどこにいたのだろう?目では見えない世界というものがあり、知らないうちのその世界ともコンタクトをとっている自分。
不思議と癒される映画でした。
星5つです。
映画「殯(もがり)の森」@シネマホール
投稿日:
執筆者:biglobeKURI
カンヌ映画祭グランプリ受賞直後に
NHKハイビジョンで国内初公開を観ました。
義父を亡くし、認知症の義母がいたので、
素直に受け入れることができました。
いろいろな意味で、印象に残る作品です。
もうご覧になったのですね。NHKで放映済みとは知りませんでした。
生と死がなかなかうまく表現出来ていた作品だと思います。
山の中の「湿気」が伝わってくるような映像でした。
ハイビジョン放送は5月29日で、一般上映の前に放送することは
異例だったようです。録画して何回か観ましたが、
しんちゃんパパはもちろんパス。。。
>殯(もがり)
⇒民俗学のレポートのテーマが「死と埋葬」だったので、
「埋葬」についての参考文献をたくさん読みました。
その時、「殯」ということばをよく目にしましたが、
この映画を観ていたので、わかりやすかったです。
一般上映前に放送しちゃったのですか!?それもハイビジョンで。そんなこともあるのですね。
>殯(もがり)
この言葉は何で知ったのだろう?天皇の御陵のあたりを調べていたらよく出てくる単語でした。
>ハイビジョン
⇒毎週、大河ドラマを日曜午後6時に観るくらいですが、
時々、ビックリするような番組に出合います。
できることなら身近な死は遠慮したいとこですが、
なかなかそうもねww
大河ドラマも佳境ですねー
今回はほんと楽しんでまする、
特にガックン最高!ミュージシャンにしておくのは惜しいww
「もがり」と言うこたばはこの題名ではじめて知りました。
題からして静かな感じですよね。
彼女の作品はデビュー作の「・・」は観ました。
やはりしみじみよかったです.
KURIさん、↑題名なんでしたっけ?
2番目のも「煮える」とか「沸く」とか、でしたよね。
ああ、もどかしい。
でももう出なきゃ、行ってきまーす。
しんちゃんママさん
普段ほとんどテレビを観ない私にとって、上映前の映画をテレビで放映するというのは、本当にビックリしました。ハイビジョン、要チェックですね!
Aki兄さん
大河ドラマはそちらへ行った時だけ観ました。滋賀県出身のガクト君頑張っているようですね。戦国時代の大河ドラマは、多くの人が歴史について詳しいだけに、どういう解釈で作ったのかが気になるところです。上杉謙信も今回は美しいガクトですが、私が最初に「マンガ日本の歴史」で見た上杉謙信は、無精髭を生やした野暮ったい田舎武者でした。実際は「謙信は女性だった」という説もあるくらいですから、ガクトのイメージはいいかもしれませんねぇ。
麦風さん
デビュー作は「萌の朱雀」でした。
http://www3.kcn.ne.jp/~kumie/works/suzaku.html
私はまだ観ていませんが、今回と同じ奈良の山が舞台なんですね。こちらも観てみたいです。
>「煮える」とか「沸く」
ははは、「燃える」の印象でしたか?「萌え~」の方でした。
そうそう私も探してて「萌の朱雀」見つけました。
でもでも2作目です。煮える、みたいなの。
ううう喉をかきむしる。
麦風さん
河瀬 直美監督作品て、こんなにたくさんあるのですね!調べてみてびっくり。
* につつまれて(1992)
* 白い月(1993)
* かたつもり(1994)
* 天、見たけ(1995)
* 萌の朱雀(1997)
* 杣人物語(1997)
* 万華鏡(1999)
* 火垂(2000)
* きゃからばあ(2001)
* 追臆のダンス(2002)
* 沙羅双樹(2003)
* 影-Shadow(2004)
* 垂乳女~TARACHIME~(2006)
* 殯の森(2007)
この中で「煮える」「沸く」というと、「火垂」でしょうか?
わああすみません。
「につつまれて」ですー。
煮つつ、見たいなイメージだったんですね。
もうもうお手数おかけしました。
それにしてもこの記憶のあいまいさはどうだ。
麦風さん
「につつまれて」でしたか!?
それは想定外。
これは「~に、包まれて」の意味だったような。「煮つつ」は完全に想定外でした。(^_^;)
>それにしてもこの記憶のあいまいさはどうだ。
参ったでござる。
そうそう、~に包まれて、です。
なのに「煮つつ」だけ、心に残っちゃったんですね。
我ながら参ったでござるよ~。
記憶力のあいまいさよりも、記憶力そのものの減退が心配な今日この頃ですが、ブログを日記がわりに書き記していないと、最近自分はどんな生活をしているのか分からなくなってしまいます。昨日作って食べたものを思い出すにも一苦労している始末です。
だから、「につつまれて」が「煮える」「沸く」でも、想定外ですが許容範囲です。(^_^)
そのうち、「につつね」「ああ、沸いたかい?」
「そう、つつむだよ」「記憶力ってなんだっけ?」
などという会話を始めないようにしたいものです。(^^;)q
十分あり得そうで恐いです。
噛み合っていなくても、結果的にお互い納得しちゃって噛み合っていないことにも気がついていない、そんな夫婦もいいかな。