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なんだかんだで人生飽きないように好奇心だけで生きてきたけど、こんなんでよかったのかなぁ?と言うブログ。

乾癬

異世界

投稿日:

 タイトルの「異世界」と言うのは、そんな大それたパラレルワールドとか、
 異次元とか言う話じゃなくて、
 もっともっと身近にある世界で、いこうと思えばすぐにでも行ける世界。
 でもこんなとこ初めて来たわ!って世界。
IMG_0684.jpeg
 私にとっての最初の異世界は、
 大学時代に初めて海水浴らしい海水浴に行って、
 素潜りで海に入り、その海の中の世界を見た時だった。
 平野と山と川しか知らない私にとって、「海」というだけで異世界だった。
 今でも水平線を見ただけでテンション上がる。
 水中とはいえ、
 砂の上に自分が浮いていて、
 魚も浮いていて、
 アメフラシというカタツムリの大きいやつが砂の上を這っていて、
 今まで地面の上を歩いていた時は、水平にしか動けなかったのが、
 自分も魚も3D空間にいて、上にも下にも前後左右に移動できるという解放感は、
 まさしく異世界だった。
 呼吸が限られているという不自由さはあるが、
 重力の少ない世界はなんて自由なのだろう!と感じた。
 あの体験からもう30年くらい経つが、その後は機会に恵まれていないが、
 また縁があれば潜ってみたいと思う。
 もうひとつの異世界はやはり大学時代。
 昼間の明るい世界しか知らなかった私は、
 ある時先輩に連れられて夜の街に行った。
 最初は居酒屋で飲んで、そこまではまぁこんなもんかという感じだったが、
 「次行こう!」と言って少し薄暗いところへ入っていった。
 細い路地には、女性の名前の書かれた小さな看板。
 そのひとつの扉を開けて入る先輩。
 「あら、おかえりなさーい」と笑顔で迎えてくれる中年の女性。
 「今日のお連れさんは?」
 「あぁ、後輩のKURIっていうんだ。こういう店初めてだからお手柔らかによろしく」
 「あらぁ、よくいらっしゃいました」とカウンターに誘われて座り、独特な渡し方でおしぼりを受け取る。
  私にとっては初めての人種。
 母でもなく、姉でもなく、年上の従姉妹でもなく、親戚のおばさんや近所のおばさんとも違う
 学校の先輩とも違うし、祖母でもない。
 どんなテンションで何を話したらいいのかよくわからない。
 とりあえず先輩のキープしてあったボトルで、ウイスキーの水割りを作ってもらう。
 野沢菜と柿ピーとさきイカがちょこっと出てきて、
 しばらく、出身はどこだの、彼女はいるの?だの、ご両親を大切にしてあげて、だの、他愛もない話。
 水割り2杯ほど飲んで店を出る。ひとり3000円弱くらい。
 あれはあれで異世界だったなぁ。
 もうひとつが、夜明け前の湖。
IMG_0617.jpeg
これは写真では絶対に伝わらない。
なんとも言えない張り詰めた空気。
「自分ひとりだけのもの」
「大自然を独り占め」
 という感覚。
生きてるなーって感じられる瞬間。
写真だと、夕暮れなんだか早朝なんだか、そこが上手く伝わらないのだが、
その場に立つと空気感が違う。
今日の新しい浄化された空気の中にいるという感覚。
IMG_0619.jpeg
元々私はアウトドア系の人間ではなくて、
家の中でゲームしたり、音楽やったり、料理作ったり、本を読んだりするのが好きで、
キャンプしたり、バーベキューしたり、山に登ったり、マリンスポーツやったりは無縁だった。
この日が昇る前の湖に出逢ったのも、コアユ釣りをはじめてからのこと。
それもコアユ釣りも朝早く起きていくこともなかったが、
ある時「日の出のタイミングですごく釣れる時間帯がある」というのを聞きつけて、
「それじゃ一緒にみんなで行こうよ!」ってことになり、
コアユ釣り仲間数人で「朝駆け隊」だったかな? そんな名前ではじめたのが最初。
家族からは「よぉやるわ」と言われながらも、真っ暗の家の中で準備をして
自転車のペダルを踏んで湖へと走ったものだ。
その時初めて見た湖の美しさが今でも忘れられない。
風もなく巨大な鏡のような湖面に、
時折小魚がピチャンと跳ね、
そこから水面に波紋が幾重にも広がっていく。
遠くの音がストレートに耳に届く。
この世界に自分だけしかいないという感覚。
この世界に自分だけしかいないということは、
人間関係もないということで、
それが寂しいという感覚ではなく、開放感だった。
今のこの世界では、自分だけしかいなくて、
誰も自分を縛ることはできず、何も制約がないという感覚。
ひとりで山の中を歩いている時も、それに近い感覚になる時があるが、
それの最上位にあたり感じかな。
言葉じゃ上手く言えないや。
IMG_0625.jpeg
狭い社会でしか生きたことがないし、
世界も知らないし、
そんなにたくさんの経験をしたこともない。
富士山にもエベレストにも登っていないし
美しい珊瑚礁も、砂漠も、ピラミッドも、ルーブル博物館も行ったことがない。
「そんなのより私の見たあの景色の方が凄い!」というのもたくさんあるだろう。
でも、
私だけの異世界。
この記憶があるだけで「何杯でもメシが食える」
それで十分なのだ。
それだけで一生を終えても特に悔いはないのだ。
だけど、生きているうちに「オーロラ」は見てみたいなって思ってる。

-乾癬

執筆者:


  1. Aki より:

    そういえばその手のお店にお連れしたことは無かったねぇ
    こちらもその手のお店はめんどうなので避けて来たかな、
    弓道部に誘うのがせいぜいでしたでしょうか、
    もっとも信州はあまりそうゆうお店もなかったしね・・・
    海かー最後の粟島はいつだったか、毎年楽しみにしてたんだけどなw

  2. KURI より:

    Akiさん
    「接待を伴う飲食業」は、緊張しちゃって却って疲れちゃいます。(^_^;)

  3. 匿名 より:

    人生において、一番の異世界は
    しんちゃんパパに連れていかれた高級クラブ。
    しんちゃんパパからママさん・キャストさんの話は聞いていたので、
    みなさんとは初対面とは思えない雰囲気。
    さすが、銀座でナンバー1だったママさん(60代)は上品で、
    接客がスマートで、異世界でしたが居心地〇。
      ⇒フロント係はママさんのご主人で、寡黙なおじいちゃま。

  4. KURI より:

    しんちゃんママさん
     銀座のナンバーワンのママさんの高級クラブとは、それはかなりの異世界ですね〜。誰しもが緊張するであろう銀座のクラブで居心地よく過ごせさてもらうことって並大抵のことじゃないと思います。それはきっとパパさんの人徳でもあるのだと思います。(^_^)

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