「帳」と書いて「とばり」と読む。
これを知ったのは、ラジオ。
おそらく知っておられる人も多いであろう、城達也氏のナレーションで始まる「ジェットストリーム」の有名なオープニング。
「夜のとばりが下りる頃、
街も深い眠りに入り、
今日もまた一日が終わろうとしています。」
懐かしい。
なんて、ずっとそう思い込んでいたが、
これは「ジェットストリーム」じゃなくて、NHK FM 午後11時15分からはじまる「クロスオーバーイレブン」という番組のオープニングであって、ナレーションも私が聞いていた当時は声優「富山敬」さん。(宇宙戦艦ヤマトの古代進の声)であった。
そればかりか、いざYouTubeで当時の録音を聴いてみると、「夜のとばりが下りる頃」というセリフがない。
どうなっているのだろう?大丈夫か?自分の記憶は。
その「クロスオーバーイレブン」が午前0時に終わって、チャンネルをNHK FMから東京FMへと変えて、
「ジェットストリーム」へ移る流れ。
BGM「ミスター・ロンリー」にのせて、城達也氏のゾクッとする艶のあるバリトンのナレーション。
ジェットストリーム、いわゆる「ジェット気流」は、対流圏の上層で起こる強い偏西風。
これが発見されたのは、そんな昔のことじゃなくて太平洋戦争中も「なんじゃこりゃ?」って驚いていた。
アメリカの爆撃機B29が日本に向かって飛ぼうにも、エンジン全開でも後ろに戻されたほどだったという。
これを研究していた日本は、9000個の風船爆弾を作ってジェットストリームにのせてアメリカ、カナダ、アラスカまで飛ばし、アメリカ民間人に死傷者を出している。
表題の、そんなナレーションがあったかどうかも不確かになってしまった「帳(とばり)」とは、
「室内や外部との境などに垂らして、区切りや隔てとする布帛 (ふはく) 。たれぎぬ。」。
平安貴族の屏風絵とかに、広い部屋を仕切るように着物を吊るす木枠みたいのがあって、それに絹の布を垂らして間仕切りにしていた絵があって、それが「几帳」というもの。
↓このような感じ
その几帳を垂らして「はい、おしまいね」って、コンサートの緞帳(どんちょう)『幕』が下りるってイメージかな?
「巾が長い」と書いて「帳」。
では、「帳面」は何?
帳面は、「物を書くために、何枚かの紙をとじて作ったもの。」
なんとなく、その几帳で下ろした絹布「帷子(かたびら)」を冊子にしたのが「帳面」なのかなってイメージしたが、それはよくわからない。
「几帳面」なんて言葉もある。
この几帳面も、上記の間仕切りの縦の細い木の柱の部分の角を、ちょいと細工して丸みをつけて削った面。
その細工が細部まで精巧に仕上がっている様から、
「几帳面な性格」というような言葉が生まれてきたらしい。
それにしても、自分の思い込みというのはなんとも頼りないものか。
まぁ、どうでもいいことって言ったらそれまでなんだけど。
几帳面には程遠い。
街も深い眠りに入り
今日もまた 一日が終わろうとしています
昼の明かりも闇に消え
夜の息遣いだけが聞こえてくるようです
それぞれの想いをのせて過ぎていく
このひととき
今日一日のエピローグ
このクロスオーバーイレブンのオープニング。
街を「人」に、1日を「人生」に置き換えると、
往生際の深い言葉のように聞こえてくる。
ふと、ジェットストリームのOPの文章を読んでいて、
「夜のとばり」は出てこないが、「夜の静寂」と書いて「しじま」というのが出てくる。
夜の視覚的な「とばり」と、聴覚的な「しじま」と。
そんなところで大きな思い違い、記憶違いをしていたのだろうか?
今となってはよくわからない。
「遠い地平線が消えて、 ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、 たゆみない宇宙の営みを告げています。満天の星をいただく、はてしない光の海を ゆたかに流れゆく風に心を開けば、きらめく星座の物語も聞こえてくる、 夜の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。光と影の境に消えていったはるかな地平線も 瞼に浮かんでまいります。日本航空があなたにお送りする音楽の定期便 ジェットストリーム 皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、城達也です」
ジェットストリーム、今は福山雅治なんですねぇ
このあたりのFMラジオ、今でこそNACK5やFM群馬も出来たけど高校時代はNHKFMと東京FMだけ、東京FMの電波状況はすごく悪いので7素子のFMアンテナを苦労して自分で設置したのが懐かしい。今はネットでクリアに聴くことができ時代の変化を一番感じるところでしょうか・・・
中学から高校までの生活は、ラジオの深夜放送漬けでしたが、お笑いものばかり聴いていたので、FMラジオをほとんど聴いたことがなく、初めて知ることばかりです。
滑らかな高級ベルベットのような語りでしょうか。どこかで1度、2度聴いたことはあるかもしれません。
単にロマンチックなだけではない知性を感じますね、このようなナレーションを深夜に聴くと、良質な眠りにつくことが出来そうです。
『帳』という字を使おうとしたことがありますが、ジブンには無理があって使用をやめたことがあります。教養が身についていませんでした。
Akiさん
ほお、今ジェットストリームは福山雅治さんなんですか?いい声しているから合っているかも。福山雅治さんは土曜午後2時から東京FMでやっている「福のラジオ」を時々聴いています。深夜のラジオはほぼ聴かなくなりましたねぇ。山下達郎さんの日曜午後2時「サンデーソングブック」も、もう何年やっているんだろうってくらい長いです。
FMアンテナ頑張って設置していましたねー。おかげさまで多大なる恩恵を受けていました。(^_^)
カラスさん
深夜放送は、お笑いものというと誰の番組ですか?と聴いてしまうと年齢がわかってしまいますからやめておきます。(^_^)
午後11時台が「クロスオーバーイレブン」、午前0時が「ジェットストリーム」、午前1時から「オールナイトニッポン」と言う流れでした。「走れ!歌謡曲」までいっちゃうと翌朝起きられないパターンでした。
ジェットストリームを聴きながら寝られたら良質な眠りだったかもしれません。
「帳」は、私は私信でも使ったことないですねぇ。(^_^;)
子供たちに「昔はラジオばかり聴いていた」と言うとすごい古い人間に思えてきますが、きっと今の子たちが「昔はYouTubeで動画ばかり見ていた」と次の世代に言うと、自分は古い人間だと思う時代が来るのでしょうね。(^_^)
ジェットストリームは、伊武雅刀さんでJALの曲が流れるイメージしかなかったです。
>BGM「ミスター・ロンリー」にのせて、城達也氏の・・・
⇒なつかしいなぁ。
半世紀以上前?????
一般人さん
伊武雅刀さんの時でしたか。
私は伊武雅刀さんというと、スネークマンショーやデスラー総統の声のイメージが強すぎて、真面目にナレーションしていると吹いてしまいそうです。でも大好きな俳優さんでもあります。
しんちゃんママさん
半世紀っていうと50年?! 確かに半世紀前から始まっていたのですね。私は中学高校時代の数年だけしか聴いていませんでしたが、オープニングだけ聴いてもあの頃の自分の部屋の雰囲気が思い出されます。
アースウィンド&ファイアーのポスターのはってある部屋で、MOCCONAコーヒー飲みながらTPリクエストアワー聞いたり、エア・チェックしたり、スネークマンショーのLPかけたり・・古語ばかりだけど、むむ、この記憶大丈夫?時間混乱してない??(笑)
>皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、城達也です。
⇒そうそう、これです。
FM東京では昭和45年に放送開始とか・・・。
とってもおしゃれな番組でした。
なつかしい。
高校生の頃、ニッポン放送(?)で、
平日夜11時前に『寺尾聡の白い日記』という番組があり、
毎日、聴いていました。(提供は森永?)
テーマソング、今でも口ずさめます。
その頃の寺尾さんのシングルレコード、
今でも持っています。
『ルビーの指輪』で有名になるずっと前の話。
『ジェットストリーム』と『白い日記』、
同じ時期に聴いた記憶が・・・。なつかしいです。
しんちゃんママさん
寺尾聰さんの声も渋いですよね〜。
今年の春からFM 横浜で「横浜B・Bridgeナイト」という番組を担当されているのですね。土曜日午後7時半からのようです。
寺尾聰さんの曲「出航 SASURAI」が好きです。
あかいみさん
MOCCONAコーヒーってなんだろう?って調べたら、画像を見て、思い出したような記憶にないような微妙な感覚。高級インスタントコーヒー? TPリクエストアワーはよく聴いていたよねー。あのアナウンサー、行宗蒼一さん!
「メリーアン」が売れる前のアルフィーがよく出ていたのを覚えています。ジングルもアルフィーの作ったものもあったよね。売れないフォークグループって感じでさ。懐かしいね。