もう長いこと乗っているこの「乗り物」は、
誠によくできたもので、まるで自分自身のように思い通りに動いてくれる。
乗り心地も大変素晴らしく、
凸凹道を進んでも、頭に振動が響くことがない。
主に前に進むが、後ろにも横にも斜めにも進むことが可能で、
数十センチの段差でも踏み越えられるし、
45度くらいの坂でも平気で登ってくれる優れものだ。
自分が行きたい場所がわかるのだろうか、
勝手に動き出す。
言葉で命令しなくとも、
私を乗せて、家から勝手に出て行き、
私が行きたいところまで乗せていってくれる。
だから、家を出るときには、その乗り物の底が傷つかぬように、
靴というものを取り付ける。
どこかが不調な時は、なんとなくわかる。
そんな時はしばらく休ませると勝手に治ってくれる自動回復装置までついている。
大きく破壊されることがなければ、私よりも長持ちするらしい。
これも不思議だが、
自分が行きたくないところに行かなくてはいけない時には、
どうも動きが鈍い。
なんだか重い感じがするのだ。
それと酒を飲んだりすると、
動きが乱れる時がある。
真っ直ぐ進むつもりが、横に行ってしまいがちなので、
なかなか目的地につかないのは困ったものだ。
お前の調子がいい時は、
私もご機嫌だ。
今日もこんないい天気だから、
お前に乗ってまた山に行きたいな。
今までも、お前に乗っていろんなところへ行ったよね。
無理をさせたこともあったけど、
そんな時でも頑張ってくれた。
翌日は散々文句言ってたけど、
また次も頑張ってくれた。
これからも大事にするから、
一緒にいろんなところへ行こう。
もうそんなにスピードは上げなくていいからね。
右足の靭帯損傷&左足骨折を同時にやった時、室内用&外出用の車いすを2台レンタルして、起きてから寝るまで車いす生活でした。自力では立てなくて、簡易の固定手すりをレンタルして、どうにか生活。
2か月間車いす生活していたら、最初の一歩が怖くて怖くて、歩けない。看護師さんに「無理に歩かなくていいから、自信がつくまで車いすを続けましょう。」と言われました。車いす⇒松葉杖⇒杖になり、ちゃんと歩けるまでには半年かかりました。
しんちゃんママさん
それは大変でしたねぇ。無事に回復されて本当によかったです。
当たり前と思っていた機能を失うと、心からそのありがたみがわかりますよねぇ。私もぎっくり腰や足の故障で身動き取れない時、実感しました。